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久万町誌

1 地形と気候

 久万町は、上浮穴郡の北西に位置し、四国山地に連なる五つの峰にはさまれ、平行に並んだ細長い四つの盆地からなる。各盆地とも北西から南東に広がり、標高四〇〇㍍の山間部にある。
 四つのそれぞれの盆地の中央には、仁淀川に注ぐ河川が北西から南東に貫流しており、各盆地とも非常によく似た地形を形成している。
 したがって、四つの盆地の気象現象も非常によく似ている。周囲を山に囲まれた細長い盆地のため、平野部とは異なった特有な気象状態を示し、かなり複雑である。
 そこで、久万町のような普通山間部と呼ばれている地方の気候の特色を知るために、平野部でしかも久万町と関係の深い松山地方を比較検討するのが、最も最適であると考えられるので、松山気象台の種々の観測資料をもとにして考察をすすめていきたい。ただし、この章に出てくる資料は、気象台観測規定によって観測されたものであり、午前九時現在の観測値である。