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久万町誌

2 日照時間

 注:ここでいう日照時間とは、直接太陽光線が地上に達した時間をいうのであって、曇・雨・雪などの日は零の時もある。したがって、太陽が東の空に出て西の空に沈むまでの時間を示すのではない。
 松山市のような平野部に比べると、久万町は日照時間が年平均(平年)一日につき二時間も少ないことがわかる。つまり、一日に一二時間太陽が地上に出ているものと仮定して、松山市は四○%。久万町は一七・五%しか太陽光線が地上に達していないことになる。久万町は松山市より日照時間が二二・五%も短いと言える。これは、峰に囲まれた盆地であるという地形の特徴も見逃せないが、久万町の気象現象の変化がはげしく、霧・雨・雪・曇りなどの日が非常に多いことを物語っている。
 このように、日照時間が短いということは、久万町の人々の生活様式の上にも影響をおよぼしている。たとえば、田植えの時期が平野部より一ヶ月も早いとか、建造物にも大きな柱を使用して、積雪の重みに耐えるようにするとか、様々の面での影響がある。
 久万町も松山市も、一月の積雪期、六月の梅雨期、九月の台風期に日照時間が減少し、四月から五月にかけてのいわゆる五月晴れの時刻、八月ころの渇水期、一〇月頃の秋晴れの時期には各々日照時間が増大していることがわかる。更に、一般的傾向として、地球の公転により夏は日照時間が長く、冬は日照時間が短いということも理解できる。いずれにしても、久万町の日照時間は他に比べて相当短いということが、一つの特徴である。

久万町と松山市の日照時間(アメダス)

久万町と松山市の日照時間(アメダス)