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久万町誌

8 桂ヶ森

 この山(一二二四㍍)の山麓一帯には、旧藩時代から、水田へ入れる肥草の草刈り場として、原野のままのところが多かったが、近年になって、木炭の原木のクヌギ、建築用材のスギ、ヒノキなどの植林が盛んになって、山の様相を変えてきている。
 しかし、頂上近くでは、イシヅチザサの群生も見られ、景観はすばらしい。
 山麓の雑木林ではツルウメモドキ、ニシキギ、マユミ、ヒョウタンボク、イヌガヤ、カヤ、モミ、クロモジ、ウシコロシ、イヌザンショウ、カラスザンショウ、アオハダ、ナツツバキ、アキグミ、ナワシログミ、ヒイラギ、スノキ、エゴノキ、ハリギリが多く、また、谷川沿いには、イヌエンジュ、アセビ、サルトリイバラ、ジャケツイバラ、ノイバラ、サワグルミ、アケビ、サワフタギ、クマイチゴ、ヤマフジ、クズ、ヤマハゼ、ヌルデ、キブツ、タラノキ、タニウツギなどが多い。
 桂ケ森から屋根づたいに正持ヶ峠に向かう途中にはセンブリ、瀬戸の奥には、ツクシシャクナゲの群生があって、五月のころには、優美な花をつける。瀬戸から伊予郡へ出るサレガ峠では、イヨコザサの自生を見ることができる。瀬戸から二名川にそって下ると、川岸にはオンツツジを多く見かけるほか、スギ、ヒノキの美林や、マダケ、モウソウチクなどの竹林も多く見かける。