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久万町誌

4 その他

 多足類では、皿ヶ嶺にすむメクラグモのほか、ジョロウグモ、丸網の巣をつくるオニグモ、コガネグモ、低木に生息するクサグモ、主に屋内にすむタナグモ、オオヒメグモ、地中と石垣、家の土台の下などに管状の巣をつくるジグモ、水面にすむミズグモ、放浪性のハエトリグモ、アシナガグモなど、巣を見るだけでも面白いクモがいたるところにいる。
 また、皿ヶ嶺には、ニホンタテヅメザトウムシ、サラアゴザトウムシ、サラビヤスデ、オカサラヤスデなどが生息していることが知られている。なお、ゲジ、トビスムカデ、アカズムカデ、ツチムカデなども見られる。
 甲殻・貝類では、カニ、エビのほか、まれには、ツガニも見られる。池や水田では、タニシを、川ではカワニナを見ることができる。二枚貝では、その数は少ないが、シジミが池や小川にすんでいる。陸産の貝では、ヤマタニシ、クルマガイ、ヤマキサゴ、ゴマガイ、キセルモドキ、べッコウマイマイが生息している。
 哺乳類では、イノシシ、タヌキ、キツネなどがいる。特にイノシシは、一〇〇㌔㌘を超える巨体のものもいる。神社・仏閣の老木には、ムササビがすみついているし、洞穴とか廃坑にはコウモリがおり、谷川ぞいの岩陰や石垣の穴などには、肉食性のテン、イタチがいる。また数は少ないがアナグマもいる。ハクビシンはもともと肉食性であるが、最近、人家近くへ出て、農作物を荒している。山野に食物が少ないためではないかと思われる。スギ、ヒノキなどの幼齢木に大被害をもたらすノネズミ、ノウサギ、人家やその周辺には、ドブネズミ、ハツカネズミ、ダイコクネズミ、田畑にはモグラも多数生息している。
 ハチュウ類では、マムシ、シマヘビ、ヤマカガシ、ヒミズなどがたくさんいるほか、人家の近くには、アオダイショウがいて、ときには、ネズミを追って屋根裏まで入ることがある。皿ヶ嶺には、タカチホヘビという小形のヘビがいて、マムシの好餌になっていることが知られている。
 また、トカゲ、カナヘビのほか、池や沼地には、イシガメも少なくない。
 魚類では、二名、畑野川、直瀬の奥の渓流には、アメノウオ(アマゴ・ビワマスの陸封型)が多い。また、ハヤ(カワムツ)、ドンコ、モツゴ(アブラハヤ)、ショウハチ(オイカワ)、イダ(ウグイ)、カジカ、ドジョウ、ウナギなどは、ほとんど全域の河川にいる。なお、放流による、フナ、コイ、ニジマスが生息しているほか、昭和三三年ころから、アユの放流も行われるようになった。
 両棲類では、直瀬、畑野川、二名、皿木の奥には、ハコネサンショウウオが生息している。これらのサンショウウオは、繁殖期には谷川へ出るが、そのほかは、主に陸上生活で、比較的湿気の多い湿原とか朽木、岩石の下などにすんでいる。イモリ、ヒキガエル、トノサマガエル、アマガエル、アカガエル、ツチガエルも多い。また、各河川の清流の岩には、美しい声をもつカジカガエルも多い。