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久万町誌

1 田植え歌

1、チヨチヨと鳴くはひよどり、鳴かぬは深山のおしどり
2、おさんばいはささでおろそよ、ささでさらりとおろそよ
3、一六で連れた女房を、磯打つ波にとられたとられた
4、打つ波はおれのかたきぞ、もどせよ沖の白波
5、おさんばいの神は庚申様よ、馬から降りて笠をとれとな
6、愛らしや山の柴栗、はやかねつけてにこにこと
7、しろ引きはしろに追われて、かぎなるくわをかついだ
8、そろたそろたよ植手がそろたよ、苗もほどよく伸びて、ほらきょうこそ田植えどき
9、春咲くはうつげ卯の花、五月に咲くは紅の花
10、この街道ははでな街道よ、下れやきぬの下褄
11、さんばいはささのものぞな、さらりとささでおろせ
12、さんばいはあらたの神よ、馬からおりて笠をとれ
13、このせまちはながせのせまちよ、だんなのものも長かろう
14、おさんばい様の腰かけの小松、太れや小松枝も栄えよ
15、五月には組のより、ほいさんかたびらに花染めて
16、太山寺の山はまあらにこそ世に取れ、頭ははげてももとは黒々と
17、若殿様の腰掛けの小松、太れよ小松の枝も栄えよ小松
18、やりたや文を小松五郎様に、ほうしょうの紙に細々と書いてよ
19、日暮れの鳥が笠のぐるりを回るぞ、まいとて回るのか上りとて回るのか
20、山田の稲はあぜにもたれかかる、一七、八は殿にもたれかかる
21、まだけさは霧の最中よ、静かに渡れ石橋を
22、石橋は、四〇と二のもの、つれそう殿は二一
23、日の暮れ暮れに駒をどこにつないだ、うね谷越えてとうな草につないだ
24、若殿の後姿に牡丹の花が二枝、一枝咲いておれてあと一枝は咲きわけ
25、植えよいは苗の取りようよ、寝よいは殿の腕枕
26、あさはかに肥をならせよ、ならさぬは寝ごえよ
27、若殿の後姿に牡丹の花が二枝、一枝は神に供えるまた一枝はわがのもの
28、おさんばいは酒に酔うたかこのひじり、一夜は情けに酔うんぞなひじり
29、ひるがおはお茶で慰め、夜こそ夜妻が欲しかろう
30、ひるびるは田植えが続く、大勢の人たち急げよ急げ田植え歌
31、山かげを見えつかくれつ、そはいそいそと来もせず
32、松前のおたたが出合いの川で、小遣銭がきれてあじやさばの切り売り
33、日の浦の土居にやたい松はいらん、花嫁さんのべにに金の光
34、よばいにや行ったがもどる道を忘れた、ゆうの木に登りたらの木へ降りて来い
35、住みたいわ、久主と安場よ、まだおりたいわ柳井川
36、日は暮れるいぬにゃいなれず、旦那のお暇のでるまでは