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久万町誌

2 迷信、俗信

ア、火遊びをすると寝小便が出る。(火遊びを禁止するためのもの。)
イ、顔にすみなどをつけて寝ると、恐しい夢を見る。(ふとんのよごれるのを防ぐためのもの。)
ウ、かえるや蛇をいじめると、寝ている時に腹の上をはう。(殺生をいましめるためのもの。)
エ、夜、口笛や竹笛などをふくと魔が出てくる。(夜の騒々しさを防ぐためのもの。)
オ、しゃくしをなめると、嫁入りする時犬がほえる。(女の子の行儀の悪さを戒めたもの。)
カ、塩を粗末にすると貧乏になる。(物を大切にさせるためのもの。)
キ、塩を借りておくとお産か重い。(他人に物を借りてそのままにしておくことのずるさを戒めたもの。)
ク、米つぶを粗末にすると盲目になる。(米一粒でも大切にすることを戒めたもの。)
ケ、爪を焼くと二〇年後に気がふれる。(爪を焼くといやなにおいがでるため、それを防ぐためのもの。)
コ、雨だれに小便すると目いぼかできる。(小便によって庭がくさくならないようにするためのもの。)
サ、みみずに小便をかけるとちんちんがはれる。(小さな動物をいたわることを教えたもの。)
シ、雷か鳴る時に着物を着ていないとへそをとられる。(夏、子どもは着物を着るのをいやがる。それで腹が冷えるのを防ぐためにいわれたもの。)
ス、雨の降る日に人のまねをしていると、その人のようになる。(身体障害者へのあたたかい同情を教え、人を馬鹿にすることを戒めたもの。)
セ、足のとりこのふし(足首の関節)をけがすると、塩三俵食わぬと直らない。(足首の関節のけがは長びくものであるということを暗示したもの。)
ソ、死んだ人のぞうりや着物を使用すると、夏やせしない。(死んだ人の物だといってきらうことなく、物を大切にすることを示唆したもの。)
タ、ご飯を食べてすぐねると牛になる。(行儀の悪さを戒めたもの。)
チ、茶びんに口をつけて茶を飲むとかたわの子ができる。(行儀の悪さを戒めたもの。)
ツ、夕方かくれんぼしていると魔がさそう。(夕方おそくまで遊ぶことを禁じ、家に早く帰ることを教えたもの。)
テ、火吹き竹を反対に吹くと双生児ができる。
ト、けがややけどをした時、親のつばをつけると早く直る。
ナ、夜爪を切ると親の死にめに会えない。
ニ、猫が顔を洗うと日和になる。
ヌ、はきものを上にほうり、表が出るとあすは日和で、裏返しになると雨がふる。
ネ、ホタルを家の中へ入れると火事になる。
ノ、屋敷に椿やほうずきを植えると、その家は不幸になる。
ハ、夜、新しいぞうりやげたをおろしてはいけない。おろす時はなべずみをつけるとよい。なべずみをつけなかったら魔が引っぱる。
ヒ、朝、猿の話をすると縁起が悪い。
フ、ひつじの日の嫁入りはよくない。ひつじの次は猿であるから、ひつじ猿(去る)となって、別れてしまう。
へ、朝の蜘蛛は縁起がよいが、夜の蜘蛛は縁起が悪い。夜の蜘蛛は親でも殺せ。
ホ、へびを指さすと、指がくさる。
マ、かぼちゃを指さすと、かぼちゃがくさる。
ミ、結婚の時にはきらずを使うとよい。縁きらずといって、末長くつれ添うことができる。
ム、結婚などの祝い事のある日、雨が降るのは「降り込み」といって縁起がよい。
メ、さいふを買う時は春買うとよい。春買うとさいふがはるから。秋買うのはよくない。さいふがあきとなるから。
モ、盆の日に川で遊んでいるとエンコが引っぱる。また、この日には地獄のふたがあくから、川へ行ってはならない。
ヤ、大川峰に二度雪が降ると、三度めには久万にも雪がふる。
ヰ、目いぼができた時は、大豆をもって井戸端へ行き、「大豆を落とそ思とったら、目いぼが落ちた。」といって大豆を落とすと、目いぼが直る。
ユ、火事起こる家には、ねずみがいない。
ヱ、犬力より食力(久万の伝記「力石」より)
ヨ、とりの早や鳴きは火がさどい(〃「こうぼりだき」より)