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久万町誌

3 名つけ

 出産後七日目に新生児の両親・とり上げ婆さん・近親者を集めて名つけが行われた。集まった人はそれぞれ新生児につける名まえを紙に書いておぜんの中に入れる。このおぜんを神だなに供え、神仏に祈りをささげ、父親がおぜんを振って中の紙をとる。(ところによると紙をふるい落として最後まで残ったのをとった)それがその子供の名まえとされた。
 この名まえを短ざくに書き、おぜんを整えて上座にすえ、一同で宴を催し、新生児の前途を祝福した。
 また、子供にあまり恵まれないで、生まれても乳児のころや幼児のころに死亡して成人しないということなどがたび重なるというような家庭では、子供運のいい人に親がわりをしてもらうようなこともあった。
 これは、座敷内で子供を寝どこから出して畳の上に寝かせそれを子供運のいい人に抱き上げてもらい、その人に名づけの儀式の父親のかわりをしてもらい新生児の健康な発育を願ったりした。