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久万町誌

2 男子の成人

 男子一五歳となれば武家の元服にならって、ふんどし祝いというものを行い、以後は一人前としての待遇をうけた。ふんどし祝いとして、晒一反を親より与えられ酒、さかなでささやかな宴を催したものである。一家の中でだけでなく社会的にもその待遇を受けた。すなわち若衆入りがそれである。
 若衆組という組にはいることができるのは男子一五歳から結婚するまでである。
 若衆組に組入りすると、先輩たちは酒食をもって迎え入れた。
 若衆組は主として地域の奉仕的作業を引きうけてやっていた。地域山の下刈り・おたびの飾りつけ・祭礼の灯籠・道ぶしんなどであった。また若衆組が会合する公会堂やお宮・お寺・お堂などには「力石」なるものが用意されていて、力くらべをして遊んだりもした。
 若い衆の会合は、若い衆講とか寄合講とかいって若衆が寄り合って遊ぶことを主としていた。そのため、飲み食いはよくしたらしい。主食や副食を持ち寄ってともに炊事をし飲み食いを競いながら農事の知識の交換や、もろもろの情報を提供し合った。
 夜這いなる夜遊びもこうした講の中でのことであった。したがって悪い遊びも習うが、明日の農事の知識やいろいろの知識を身につけることもできた。