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久万町誌

1 古岩屋(昭和一九年一一月七日 国指定 名勝)

 久万町の中心街より、県道を東へ約一五㌔ほど行った所にある。
 この附近一帯は、第三紀層がよく発達し、円錐状の礫岩峰が数十座並立している。高さは、いずれも約三〇~四〇㍍ある。青空にそびえ立つ雄大な姿は、太古の自然の神秘と、それがおりなす芸術の偉大さをしのぼせてくれる。
 岩肌には、イワヒバ、イワレンゲ、セッコク、シノブ、イワギリソウ、ツタなどが着生している。
 渓流ぞいに並立する礫岩峰の一つ、不動岳の中腹の大穴に、古くから不動明王が祀られていた。風雪にさらされ老朽化してなくなっていたが、昭和五○年三月に、住吉神社のカヤの木を使って佐竹英一が彫った不動明王が安置された。
 昭和四九年一二月には、「国民宿舎、古岩屋荘」が落成した。
 そびえ立つ巨岩に和する春の桜、新緑、夏の清涼、秋を彩る紅葉、冬の雪景色と、四季おりおりに描き出す絵巻物は、見る人をしてしばし足をとどめさせる。
 昭和三九年三月二一日には、四国カルスト県立自然公園の一角として、愛媛県からの指定も受けている。