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久万町誌

4 古岩屋

 峠御堂線が開通すると、久万から下畑野川、古岩屋、岩屋寺、面河渓へのルートが観光コースとして脚光を浴びることとなった。
 古岩屋が名勝地として文部省より昭和一九年に指定を受けた。昭和三九年には県から「四国カルスト自然公園」の一角として指定も受けていた。こうしたことも含めて、古岩屋の開発診断が行われたり、調査検討を重ねた結果、総合的な開発として①昔からのへんろ道の整備、②嵯峨山の冷泉の活用と宿泊施設、③一遍上人遊行の地にちなむ環境整備、④宿泊客のまかないに地元特産品の活用等々が検討された。
 まず手初めに、へんろ道を復活させて遊歩道を作ることから始めた。後日、環境庁や建設省の肝入りで「四国のみち」が開通するが、その際県下でいちばん最初に開通した原動力となった。冷泉のボーリング調査では、量と質の分析が行われた。その結果、アルカリ単純泉で、神経痛やリューウマチに効果のあることがわかった。
 昭和四九年には、環境庁の認可を得て「国民宿舎古岩屋荘」(鉄筋コンクリート三階建)が建設されることになった。もともと国民宿舎は国が指定した自然公園の中でないと建設されないものである。窓の外には奇岩の岩肌が眺められ、ロビーの壁面には一遍上人遊行の絵巻物の一部を拡大したモザイクタイルの壁画がある。宿泊定員は一一六名で、和室大広間や会議室もある。またテニスコートやゲートボール場なども完備している。古岩屋荘の年度別利用客は次のとおりである。

古岩屋荘の年度別利用客数

古岩屋荘の年度別利用客数