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久万町誌

1 久万町の災害について

 久万町は古い歴史を持っているが、災害については古い時代の記録が少なく、江戸時代以降の記録だけしか得られない。したがって、これらの記録以外にも多くの災害があったとも考えられるが、記録のないものについては現在知るすべもないので、記録を忠実に整理することにした。
 資料は「久万町文化史年表」および「小田町郷土史年表」と「久万山手鏡」である。
 災害は、気象現象に起因する風水害、雪害、冷害、干害などが中心になるが、その他で火災、伝染病なども災害として見のがすことはできない。
 これらの災害による被害額なども知りたいと思ったが、それを調べる資料は得られなかった。
 これらの記録を検討すると、昔の人々が度々の火災の類焼を防ぐため瓦葺にしたり、松山藩が伝染病がはやると、薬法を民衆に示したりしていることがわかる。洪水、大雨、大雪、台風などの気象現象に苦しみながら、自然と戦って多くの業績を残していった様子がうかがえる。
 現在のわれわれの周囲の家、河川、道路などにはそうした昔の人々の苦労がにじみ出ているようで、人間の力強い歩みをそこに感じずにはいられない。
 私たちは先人の歩みの中に、今後の私たちの進むべき最良の道を見出し得るとすれば、幸いであると思う。