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久万町誌

四 観光開発

 日本人は歴史的にも、自然と共存し、自然の厳しさの中で、巧みに自然の力を利用し、独創的な文化を形成してきました。自然の中で育った豊かな感受性・芸術性が、日本人の精神生活を豊かにし、農耕生活や勤労が、協調性や丈夫な身体を生み、心身ともに健全に育ってきたと思います。しかるに、戦後の都市化・工業化により、自然との接触や人と人との共存関係が次第に失われています。そのことが無関心・無感動・無気力・孤独・人間性の喪失等の現象を生みだしています。
 このような現状が憂慮され、今日あらためて、自然との触れ合いが、声高くさけばれています。そのなかで、生命や自然への畏敬の念を持ち、自然と調和して生き、豊かな人間性を回復する場としての農山村が、強く求められています。そこで久万町は、現在進めています体験・学習型観光を更に進めて、山村リゾート地としての開発を考えております。
 更に、余暇時間の増大・レクリエーション需要の増大と相まって、リゾート空間・ふるさと空間としての役割が増えると予想されます。既設の各施設の充実を図り、滞在型の交流拠点施設として、ラグビー場やサッカー場、キャンプ場の整備を進め、健全なスポーツ・レクリエーションから美術鑑賞など、快適で特色ある場と機会を提供し、訪れる人々との交流や対話、自然との触れ合いを通じて活力ある観光の町づくりを進めます。