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面河村誌

一 地形と気象

 面河村は西日本の最高峰石鎚山の西南に位置し、面河川流域の大味川、割石川流域の渋草・笠方・坂瀬川流域の大成、黒妙川流域の前組地区からなっている標高約三五〇メートル以上の山村地帯で、これらの流域の気象上の差は余りない。道後平野の南に位置しているが、黒森峠・石墨山・白猪峠・井内峠から三坂峠に至る連山が、屏風のようにそびえ、温暖少雨の瀬戸内式の気候でもなく、南は筒上山・岩黒山から高台越・三光・辻山に至る連峰で高知県と境す。四国山地の、どまん中、高温多湿の南海型の気候でもない。しかし、どちらかといえば、土佐沖・太平洋の気象に左右されることが比較的多い。
 年々、南太平洋で発生する台風は、九州の南端より、土佐沖・紀伊半島に至るルートが多く、いわゆる台風銀座である。その影響で大風・大雨があり、農作物・人家・道路・橋梁などの被害が、しばしばあった。さらに冬期は石鎚おろしの寒風で、大雪・寒波に見舞われ、植林・人家・茶・豆類に被害を被ることもある。