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面河村誌

(三) 石鎚層群

 約一千数百年前、火山の大噴火が、次々と起こった。この火山活動の中心は、石鎚山・石墨山・皿ヶ嶺・砥部辺りの四か所で、中央構造線に沿って、約一〇キロの間隔で、並んでいる。
 この地層は、凝灰岩・凝灰角礫岩・安山岩の熔岩流・集塊岩が、繰り返し重なってできている。さきの久万層群とは、不整合関係であることが、笠方市口付近の割石川右岸に見られる。つまり、その当時は、陸地になったり、また、沼地になったりを繰り返していたと考えられる。
 面河渓の美しい一つの条件は、岩石の美しさであるが、濃い緑の結晶片岩・黒っぽい安山岩・白い花崗岩の色の対比が美しく、また、それぞれの岩石特有の割れかたが、景色に変化を与えている。この花崗岩は、土泥辺りにも見られるが、これは深成岩であり、火山活動の末期に、地下深い所で、ゆっくり冷え固まってできたものである。その後の浸食で上部が削られ、現在のように姿を現したものである。