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面河村誌

七 郵便局の新時代

 昭和十六年(一八八三)一月、特定郵便局に関する法律が公布され、従来の一、二等が普通局、三等局が改めて特定局として発足した。つまり、昭和二十三年以降、局長は局舎敷地の提供の義務を廃止、請負制・名誉職でなくなり、局長は国家公務員なみに扱われ、監督官庁より任命せらるることとなった。
 明治三十五年、杣野郵便局が渋草に開設されてから七〇有余年、人変わり、星移れど常にたんたんとして中庸の道を歩み得たことは、局長にその人を得たゆえんともいえる。特に近年は郵便本来の業務以外に、各種年金の取り扱いなど、地域住民の福祉の一つの窓口としても非常に親しまれている。
 昭和二十一年、局の職員は全逓信従業員組合に加盟、今もなお村内唯一の組織労働者として、旧来の旧習を破り、赤い組合旗のもとに団結するのは、これもまた新世代の要請ともいえようか。
 日本の郵便貯金は銀行に恐れられるだけでなく、今や英・仏の金融界が手本とする存在だといわれている。今また、郵便貯金は、その戦力をさらにパワー・アップさせる戦略、局の窓口で「進学ローン」なる新規貸出し業務を創設した。これまでの特定局は様相を一変し、地方銀行顔負けの、近代金融機関として、窓口の気安さ、身近にある便利さというニーズに合った立地条件がものをいって、ますます地域住民に利用され、親しまれることになるだろう。