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面河村誌

(三) 豚

 明治三十五年ころ、県下で一四八頭飼育されていたという記録がある。飼育頭数が増加してきたのは、昭和に入ってからで、特に昭和二十五年ころから著しく増加してきた。
 上浮穴郡では、いつごろから飼われだしたか明らかではない。大正九年に二頭、大正十年に一〇頭、昭和八年に七頭が、郡内で飼育されていた記録があり、大正から昭和初期にかけて、豚は、本郡では珍しい家畜であった。
 昭和三十八年ころまでは、自家の残飯で賄える兼業としての一頭飼育が多かったようである。その後肉牛の不足と相まって、豚肉の需要が高まった。そして、豚肉の値もあがり、しかも豚は、短期肥育ができることから、専業的に多頭肥育を目指す農家も現れた。昭和三十八年には養豚家二〇六戸、飼育頭数一一一〇頭、一戸平均三頭と増加したが、豚の相場は変動が大きく、また飼料不足などから、その後は、養豚家は減少してきた。その反面、経営を合理化し、資本を投入して規模を拡大した専業に移り、昭和五十年では、一戸平均五五頭と、大がかりな経営規模になってきている。
 規模の拡大化が進むにつれて、し尿処理などの公害問題が浮かび上がってきている。

年次別、面河村における豚飼育状況

年次別、面河村における豚飼育状況