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面河村誌

第一章 面河ダム

 〝夢の用水〟といわれた「愛知用水」と比べて、よく「西の愛知用水」といわれた道前・道後平野農業水利改良事業は、「虹の用水」である。
 西日本一の高峰 石鎚山(一九八二メートル)の霊域から贈られた真清水によって、今、愛媛県の道前・道後平野は潤っており、地城の住民はその恵沢を十二分に享受している。それも万古の昔から延々と流れて太平洋の雄壮な黒潮と合流している仁淀川に活力の源泉を求めて、四国の背骨、四国山脈の分水嶺を越え、寡雨地帯の瀬戸内海に注ぎ込ませた「世紀の大事業」が完成したからこそである。このレインボー・ラインは、外洋と内海を結ぶ虹の架け橋となって「百年の大計」「昭和の国引き」を果たした。
 これは道前道後用水史〝石鎚の水ここに展く〟の巻頭の一節である。