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面河村誌

二 ダム発想と経過

 ○昭和二十六年 県議会での水利ダムの発議
 ○昭和二十六年十一月 現地調査
 ○昭和二十九年 道前道後水利総合開発事業計画策定
 ○昭和三十一年 一〇〇〇万円の調査費計上
  海抜六八〇メートルの面河村笠方に貯水池を設け、面河川・坂瀬川・妙谷川・割石川の水を集め、道前道後平野の耕地かんがい、落差を利用しての発電、更に工業用水と多目的ダムとして計画は進められた。
 ○昭和三十二年五月七日 面河村長・助役村議会対策委員・水没者を招いて説明が行われた。要旨つぎのとおりである。
 (1)水没者の転出先の替地探しに万全の努力を払う。
 (2)補償交渉は話し合いによる。
 (3)物件調査の上、適正な補償額を定める。
 (4)後に残る村づくりに県が責任を持つ。
 ○昭和三十二年五月十七日 重見村長名で説明に対する回答を兼ねて
 要望書を提出する。
 (1)左岸に植林の管理及搬出のための林道・ダムの中央部に橋梁・これに付随する道路の新設をすること。
 (2)左岸は稜線まで、右岸は付け替道路下まで、ところにより稜線まで残地補償をすること。
 (3)用地調査結果を明示すること。
 (4)調査で損害を生ずる恐れのある場合は事前に所有者の承認を得ること。
 (5)補償金額で提示額と要求額に差額を生じた場合は受益側で補足する用意があるかどうか?
 (6)工事施行については、我々地元民の納得できるまで工事に着工しないことを知事の責任において確約すること。
 ○昭和三十二年五月十八日 知事よりほぼ全面的に近い要望に応ずる旨の回答があった。
 ○昭和三十二年十月十日 重見村長、中川議長、面河ダム対策委員長の連名によって補償要求書を初めて提出する。
  (水没個人補償要求 五億五〇〇〇万円)
 ○昭和三十三年十月二十七日 補償額調印数次にわたる交渉の結果
  個人補償額 三億二八〇〇万円 
       (農林省 二億八八〇〇万円 県 四〇〇〇万円)
  公共補償    三五〇〇万円