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面河村誌

二 明治以後の学校教育

 江戸幕府を打倒して成立した明治新政府は、富国強兵・殖産興業・文明開化の三大指針を掲げた。そして、これらの要素となる人的資源を養成するために、近代学校制度を打ち出した。その構想は、全国を八大学区に分け、各大学区に一大学を置き、さらに各大学区を三二の中学区に分け、各中学区に一中学校を設け、各中学区を二一○の小学区に分け、各小学区に一小学校を置くもので、初等・中等・高等の三階梯の学校制度を全国統一的に実施しようとするものであった。
 石鉄県では管内を西条・今治・松山などの三中学区に分け、さらに三一二の小学区を設けたが、この遠大な構想の実現は容易なことではなかった。
 文部省制定の「小学教則」によると、尋常小学校を上下に分け、下等小学校は六歳から九歳までの四か年、上等小学佼は一〇歳から一三歳までの四か年で上下を通して在学八か年とした。
 この正規の課程を踏まないものを変則小学校といって、本県では下等初級生に限って認められた。
 明治八年に文部省の指示によって、公私立小学校一覧表を提出した面河村の小学校は左記の五校である。
 同十一年三月甲乙二種の下等小学教則が布達され、面河村では乙種課程が行われ、読法・問答・作文・書取・算術・習字・口授(勧懲等の談話)・復読(前日学んだところを復読)・復習(一週間学んだところを復習)などが指導されていた。
 同十九年小学校令を文部省は制定し、小学校を尋常・高等の二段階に分け、父母後見人などはその保護する学齢児童を六歳から一四歳に至る八か年間において、少なくとも四か年の修業年限をもつ尋常小学校を卒業させることを義務づけている。
 小学校の学科として、尋常小学校は修身・読書・作文・習字・算術・体操・図画(または唱歌)を、高等小学校では右のほか地理・歴史・理科・裁縫(女)をおき、土地の情況によっては英語・農業・手工・商業を認めた。

公私立小学校一覧表

公私立小学校一覧表