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面河村誌

二 戦後の社会教育

 面河村の戦後の社会教育は青年団が自発的・自主的に活動することに始まった。敗戦の不安と恐怖に追いやられようとする村民の気持ちを、若い力と行動によって勇気づけ、村民の心の支えとなった。その陰の大きな力となり、村づくりに大きく貢献する指導をしたのは学校の先生がたであったことを忘れてはならない。
 へき地の教育はすべてが一体とならなければならぬとの広い教育観から民主主義国家の公民として目前に次代を背負う青年を思い、全く無報酬による奉仕と善導の尊い努力をはらったのである。
 当時の青年たちは、夜学に、スポーツに、勤労奉仕に若いエネルギーを燃やして活動したのである。その後、PTAの発足、農協婦人会の結成など、社会教育関係団体が逐次自発的発足をみたが、行政面においては、学制改革による義務教育施設・設備・備品などの充実に追われ社会教育にはほとんど手が回らなかったのである。そのため、村の社会教育は、民主団体の自主的活動に頼っていた。
 昭和三十三年、ようやく村の教育委員会に社会教育主事の配置をみるに至った。同年四月、面河村教育委員会において面河村社会教育振興計画が立てられた。
 昭和五十四年度面河村社会教育活動目標を次のように立てている。
   住民ひとりひとりが連帯意識をもち郷土を愛する心を養い、生活基盤を築くために民主的でたくましい村民の育成を指向する。
  一 基本目標
   ○愛郷心と連帯感を基盤とし豊かな生活を築く。
   ○高い知性と豊かな教養を培う。
   ○あたたかい心情と、豊かな人間性を育てる。
   ○たくましい体力に強い意志を育てる。
   ○郷土文化の保存と伝承につとめる。
  二 重点目標
  (一) 郷土開発に参加する教育活動
   ○観光開発と観光産業の開拓研究
   ○郷土のよさを育てる教育の推進
   ○郷土文化の育成(郷土芸能・郷土万才の保存普及)
  (二) 人間性回復をめざす社会教育の展開
   ○教養の向上と青少年健全育成
   ○健全な家庭づくりの促進
   ○生涯学習意欲の高揚
   ○在学青少年に対する社会教育の推進
  (三) 社会連帯意識を高める活動
   ○明るいあいさつ運動
   ○たすけあう運動
   ○時間を守る運動
   ○環境美化運動
   ○生活改善運動
   ○国旗をかかげる運動
  (四) 体力づくり活動と健康教育の推進
   ○社会体育の奨励と条件整備
   ○食生活改善運動の推進
   ○保健衛生意識の高揚
  (五) 社会教育条件の整備
   ○社会教育関係者の研修
   ○社会教育施設設備の充実
   ○社会教育講師団の編成と活用
   ○視聴覚教育の拡充強化
以上のような目標を関係各団体が分析、具体化し、人づくり、村づくりに努力している。