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面河村誌

(四) 幼児教育

 多くの家庭が農林業であり、夫婦共かせぎで家をあけて働くため、人間形成の上でたいせつな幼児期の基本的なしつけや保育に欠けることを心配し、幼児教育の必要性を婦人会の中で重要な課題として取り上げ、幼児学級開設の運動が行われるようになった。
 渋草地区では昭和三十一年九月一日渋草婦人会の努力で渋草幼児学級を開設し、人件費は村負担としている。校舎は当分の間渋草小学校の一部を使用し、同三十三年の記録では土曜日ごとに開級されている。同三十七年ごろまでは開級式は五月中旬ごろに行われている。
 中組・本組地区では、同三十二年五月にそれぞれの地区の旧学校跡公民館に開設され、週一回の保育が行われている。翌三十三年には保育はやはり週一回であるが、九月十七日から場所を本校(面河第一小学校)に移し、毎週水曜日両地区合同で行っている。さらに翌三十四年には最初週一回、中組は水曜日、本組は月曜日に開設し、当番として各組父兄一名あて手伝っている。が、九月十六日から昨年同様、本校で水曜日に開設するようになった。
 石墨地区では同三十三年九月十三日幼児学級(五歳児のみ)を開設する。
 同三十五年十月十五日から施行された「面河村幼児学級の開設及び運営に関する規則」には次のようになっている。
 (目的)
第一条 この規則は面河村における幼児の教育福祉の向上を図るために開設する。
    幼児学級の管理運営に必要な事項を定めるを以って目的とする。
 (開設、場所及び区域)
第二条 面河村内の幼児学級開設場所及び区域名称は次の通りとする。
 (開設基準)
第三条 幼児学級に入園する者は、保護者の希望する就学一年前の幼児とする。
 (管理)
第四条 幼児学級は面河村教育委員会が管理する。
 (職員)
第五条 幼児学級に主事及び保母をおき、面河村教育委員会が委嘱する。
 (運営)
第六条 幼児学級は家庭並に村内小学校と密接な連絡のもとに運営する。
  (経費)
第七条 幼児学級の経費は村費、父兄負担金、寄附金、その他をもってあてる。 以上
 その後、幼児教育の重要性が叫ばれ、同四十七年四月から四歳児をも保育する二年保育制となる。
 村当局も幼児教育を重視し、各幼児学級の状況に応じ、校舎の新設又は増設、備品の充実に努力している。特に入園料・保育料などは村費で賄われ、現在では村内全四歳児・五歳児に毎日保育がなされている。
(石墨幼児学級では週四日間保育を行う)
 同四十九年には幼児学級の名称から幼児学校と改称され、さらに五十三年三月二日に渋草幼児学校、面河第一幼児学校が県教育委員会より幼稚園として認可された。(石墨幼児学校は今まで通り)これにより五十三年四月から渋草幼稚園、面河第一幼稚園が開設され、正規の学校体系の一環として県教育委員会の指導を受けるようになる。また、幼稚園拡充整備により県の補助を受け施設設備が拡充された。

面河村内の幼児学級開設場所及び区域名称

面河村内の幼児学級開設場所及び区域名称