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面河村誌

(一) 外来語の氾濫

 朝のインスタントコーヒーから、夜のナツメロ(なつかしのメロディ)に至るまで、現在の日本(面河)は、外来語・和製英語が、はんらんしている。そのため「日本語が乱れる」との声も多いが、一方では、日本語は、外来語を巧みに取り入れ、それによって、その表現を豊かにしているともいえる。
 テンプラ・カッパ(合羽)・ジバン(襦袢)・シャボン(石鹸)・マント(フランス語)・ノルマ(ロシア語)などの言葉はみな日本語の中に溶け込んでいる。一口に外来語といっても、テレビタレント・ハイセンスなどは、和製外来語である。
 オートバイ・ガソリン=スタンド・ダンプカー・バック=ミラー・ルーム=クーラーなどの物の名、オフィス=レディー(○・L)・ベッド=タウン・ナイターといった珍造語は、日本人にしか通じない。テーブル=スピーチが、和製英語であると気付いている人は、少ないのではなかろうか。
 コミュニティー・ボランティアとかの片仮名の言葉が盛んに使われているが、それは在来の日本語では表現できない、新しい内容を持った言葉である。
 特に最近、テレビの普及、交通機関の発達により、近くは松山近辺の言葉、遠くは、京阪神の言葉も、その独特のアクセントは別として、山間面河の言葉と、その差異は見いだしがたい。つまり、それだけ地方の古い言葉が消え去ったのである。そして、普通の会話にも、外来語・和製英語が、ぽんぽんと飛び出す。片仮名言葉の影響は、量り知れないものがある。