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美川村二十年誌

一、本村の特色

 当村総面積の約九〇%は林野である。そしてこの林野がこの村の農業と並ぶ一大産業としての林業となり、住民経済の消長を握るに至った訳であるが、さてその林業がその中核としての森林組合と共にどの様な道をたどって来たであろうか。ある時は村が中心となり、ある時は森林組合が中心となって共に手を携えて歩んだ戦後、特に合併後二〇年について振り返って見ることにしたい。
 「美川村の概観」に示すように、年間降雨量二,二〇〇㍉、地味も良好で自然条件には恵まれているが、冬季が長く一月・二月の降雪期には林業作業はほとんど出来ない状態である。また、山は比較的急峻で谷深く、気象条件などに恵まれて杉の生育には極めて好適であるが、木材搬出には多くの時間と労力を要する致命的欠点がある。