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美川村二十年誌

二、美川村民歌・美川音頭の制定

 村民歌及び音頭は、昭和三三年二月、村公民館運営審議会と教育委員会の合同会で協議し、村理事者によって検討されて全村民から公募された。趣旨は村民相互の親和をはかり、郷土愛の心情を深めて、明るい希望に包まれた村づくりを願い、ともに歌い踊り、なごやかで力強い村づくりを進め愛郷の精神を養うものであった。
 昭和三三年三月「広報みかわむら」で、村民歌=三節、音頭=五節程度の募集規定を公表すると共に各部落長・組長に通知し周知を図った。
 同年九月八日、役場において選衡委員一六名による公正な審査の結果、村民歌三綱・音頭四編を予選し、さらに愛媛大学仲田庸幸教授の意見をきき、作者の了解を得て作詞の一部補修をおこない、次のとおり決定された。
    村民歌入選者
 本籍 美川村大字黒藤川七九六番地
 住所 松山市三番町三八
      宅宮  覚   (大正一四・一・一四生)
    美川音頭者選入
 本籍 美川村大字七鳥三番耕地一五四番地
 住所 松山市持田町南代五
      伊藤 義一  (明治四四・一〇・一〇生)
   
 美川村民歌  作詞 宅 宮 覚       
一、水七色の名も高く
  御三戸を村の中にして
  緑の大地 美しい
  われらの村よ ああ美川
  みんなこぞって讃えましょう
二、奥七鳥の森ふか
  岩屋寺古くあがめきて
  人の和ここに 花と咲く
  ゆかしい村よ ああ美川
  みんな楽しく励みましょう
三、虻七色の雲走る
  明神山が聳え立ち
  神の鎮めと 仰ぎ見る
  われらの村よ ああ美川
  あすの栄を築きましょう

 美川音頭  作詞 伊 藤 義 一
一、ハアー 美川春くりゃ
  つばめももどる
  岩屋坂道木の間越し
  白いすげ笠 白いすげ笠
  鈴のおと
二、ハアー 美川夏くりゃ
  みどりに萌える
  澄んだ面河の水しぶき
  あゆと子どもが あゆと子どもが
  川のぬし
三、ハアー 美川秋くりゃ
  もみじが映える
  御三戸大岩きみを待つ
  年に一度の 年に一度の
  あですがた
四、ハアー 美川冬くりゃ
  牡丹雪小雪
  中津明神猟の銃声
  酒のさかなは 酒のさかなは
  山くぢら
五、ハアー 美川よいとこ
  むすめが可愛い
  平家ちすじか品のよさ
  おどる姿は おどる姿は
  白早百合

 作曲は共に愛媛大学清家嘉寿恵教授、美川音頭の振付は同大学神野寛教授に依頼し、同年一一月七日美川中央中学校に於て、小中学校児童生徒及び青年婦人有志を対象に、歌と踊りの指導と発表会が行なわれた。