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美川村二十年誌

第二節 消防装備施設の現況

 時代の進展にともない、戦前から活用されてきた腕用ポンプに替って昭和二五年頃から「消防機械化のはじまり」とも言うべき小型動力ガソリンポンプが普及しはじめ、順次各部班に購入されて来た。昭和三五年頃までにはほとんど各部班に動力ポンプを備え、また貯水槽など国・県および村の補助金によって施設を整えた。
 当時の消防勢力は表に示す通りであるが、合併後五ヶ年にして装備も充実し、その後の火災消防に威力を発揮した。
 消防水利施設については、旧来各地区に管理されている貯水槽は腕用ポンプ時代の少量の貯水池であって可搬動力ポンプの水源としては活動能力がなく、施設整備計画を樹立して大型水槽の新設・改修に努力を重ねた。大火災に対処するためには無限の自然水利に優るものはない。幹部会に於いて地域の意見を徴して河川水の利用を行うよう指導し、河川進入路標識を掲示して非常に際して遺憾のないように整備を計るなど、限られた人員で施設および機械器具を満度に活用して最大の効果を挙げるように萬全を期している。被服については昭和三九年に第一分団、昭和四〇年第二分団、昭和四一年第三分団と三ヶ年計画で全員の被服(ハッピ)を新調、昭和四四年度に於いては保安帽(ヘルメット)を購入して全員に支給した。なお昭和四四年度に於いて過疎現象のため団員確保がむづかしくなったため、昭和三四年以来の団員の定数四〇〇名以内を三二八名以内に改正すると共に、その年令も従来は一八歳以上四五歳までであったのを一八歳以上に改めた。
 消防団の年間における行事は、新年早々に出初式、春の火災予防週間、秋の火災予防週間、防火デー行事、年末警戒、非常災害の出動、教育訓練、幹部会および幹部講習会などである。昭和三二年からは毎年一回、県および上浮穴郡連合会主催による消防操法大会が開催されることとなり、以後各分団から一チーム宛選手を出動させて消火訓練技術の習熟を期している。
 美川村消防団発足以来二〇年、消防施設は整備し、消防幹部の指揮能力の高揚と、団員の教育訓練にはげみ、有時即応の人的態勢も完備されて来た。今や交通通信網の態勢完備にともない、国を挙げて消防常備化が叫ばれており、上浮穴郡においても郡内共同で全域の治安維持に対処し、交通事故・水火災・そのほか緊急事態に応ずるべく、常設消防署設置の気運に至っている。

昭和25年当時の消防勢力

昭和25年当時の消防勢力


消防勢力配置状況

消防勢力配置状況


美川村歴代消防団幹部名簿 1

美川村歴代消防団幹部名簿 1


美川村歴代消防団幹部名簿 2

美川村歴代消防団幹部名簿 2


美川村歴代消防団幹部名簿 3

美川村歴代消防団幹部名簿 3


美川村歴代消防団幹部名簿 4

美川村歴代消防団幹部名簿 4