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美川村二十年誌

第一節 庶民信仰

 民間における俗信について、それがどのように行なわれているか、また行なわれていたかを、①村内に共通する信仰、②部落に独特な信仰、の二つに分けて述べることにする。
 ①については、村内のそれぞれの地域によって、信仰的行事の内容に多少の違いはみられるけれども、いずれも安全と豊作を共同の力でもって祈願しようとする連帯意識とみることができる。また、②においては、多くの部落で信仰的行事に娯楽的な行事が付属していて、集まって共に楽しもうとしたレジャー文化の乏しかった時代の民衆の心情や生活の様子をみることができる。
 なお、①の行事の内容は、それぞれの地区の全域にわたらないで、ある特定の部落のものについて書いている。これをもって全域の共通的なものがうかがえるものと考えるからである。②の行事については、主なものだけにとどめた。