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美川村二十年誌

二、晴雲山正泉寺(せいうんざんしょうせんじ)

 美川村大字黒藤川中組にあって、宗派は浄土宗。本尊は藤原時代の作といわれる阿弥陀如来(村指定文化財)である。また付属建物として、烏ヶ滝金比羅大権現と薬師如来も安置されている。創立は明らかでないが、大権現の建立が文治元年(一一八五)であることから、それ以前のものであろう。この寺は、当地方が最初に開けたといわれるトロメキにあったが、のち、土居組の上岡肇次の屋敷に移され、文化二年(一八〇五)に現地に建立された。檀家数は、三〇〇戸を数えたこともあったが、合併当時には二三○戸、現在では一八〇戸ほどに減っている。行事としては八月一五日の施餓鬼と一〇月一四日の十夜法要が、戦前と変わりなく行なわれている。