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美川村二十年誌

三、民間の犯罪防止活動

 犯罪防止は、警察の重要な任務であるが、民間の協力がなくてはその効果が上がらないことは今日も同じである。各時代を通して、これらの人々の協力をふりかえってみたい。
 明治時代には、先に述べた通り自警組織として、全村の組長を中心に民間防犯組織があった。
 大正九年一一月には保安組合が結成された。これは全国的に実施され、組合員は全戸主の参加を目標としたが、参加・脱退は自由であった。この時代は大正六年ロシア革命、七年米騒動、八年各地に普選運動など、第一次世界大戦後の不安な世相であった。「金を送れぬ出かせぎの父」もあり、農民運動も盛んとなっていた。このような時、久万警察署長の要請によって保安組合が設置された。具体的な活動記録はないが、犯罪防止と天災・火災に関する協力活動が任務であった。
 昭和に入ってからは、一六年にこれまであった消防組を警防団と改称して、治安維持と防犯団体としての性格が明確となった。戦時体制下にあって団員は戦場に出る者も多く、老年化していった。欠乏に悩まされながらも、銃後国防の第一線としての任務を完全に遂行していった。
 二八年三月には、現在も活動している防犯対策協議会が結成された。本会は村長、村議会議員、各団体役員、各部落組長などによって構成されている強力な団体である。この団体は、すべての防犯活動に協力するが、特に青少年の不良化防止に主力が置かれている。そのため、「青少年に健全なレクリエーションを」というスローガンのもとに柔剣道の指導にも当っている。現在、剣道は、郡内はもちろん、県下にその名を知られるようになったが、それもこの団体の強力なバックアップがあったからである。

仕七川村犯罪表

仕七川村犯罪表