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美川村二十年誌

第一節 面積・地勢

 中津村は上浮穴郡の東南に位置し、北部は仕七川村、西南部は仁淀川を隔てて弘形村・柳谷村、東部は高知県吾川郡に境している。
 本村の総面積は四九〇八㌶で、その内訳は、
  宅地面積      一五㌶
  田面積       六七㌶
  畑面積      一八三㌶
  山林面積   四、二八〇㌶
  その他      四〇一㌶
であり、村の東西六・五四㌔、南北一二㌔である。(昭和二九年調査の役場資料をノートル法に換算)
 本村は四国山地の中にあるため、中津明神(一五四〇㍍)・雑誌山・源次郎山などの高峰が東方にそびえ、それが西南に傾斜して仁淀川の河岸におよんでいる。土地はほとんど急斜面で集落はその間に点在し、産業・交通の発達に大きな妨げとなっている。地質は水成岩からなっている。仁淀川は本村の西南辺を形成して高知県へ流れ込むが、本村の河川はすべてその支流となっている。
 おもな支流に前川がある。雑誌山を源として中津明神のふもとを流れ仁淀川に注ぐもので、長さ約九・五㌔ある。水勢が激しく所々から溝をつくり黒藤川の水田を潤している。桂ヶ谷は西北部沢渡を流れる渓流である。法師ヶ谷は稲村、小松ヶ谷は中津明神の東南斜面の水を集め、久主の水田を潤している。沢渡の赤蔵ヵ池は周囲約一〇五㌔あって灌漑用水として重要である。多くの鮒を養っている。沢渡には新池・皿ヵ成池などの小さな池もある。土地はだいたい肥沃で、みつまた・とうもろこし・米(反当七、八俵)などを産する。