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柳谷村誌

第一節 「ぜに」が「くらし」を支配する

 人びとのくらしに、商品のながれがはじまる。そのながれが大きくなるにつれて、ぜにが人びとのくらしの座に大きい力を占めてきた。自力で物をつくり、それを自分で消費して、くらしを立てた自給経済では、ぜにへの関心と支配力は弱かった。ぜにが要ることになり、ぜにを稼がにゃならんことになってきて、人びとのくらしの層がたかまっていく。しだいにぜにの流れの量とその方向が、人びとのくらしをいろいろのすがたに変えていった。ぜにが村びとの生活体を循環する「血流の役割」を担うことになったのである。