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柳谷村誌

第五節 義務教育終了者の教育

 明治新政府によって富国強兵の大国策は着々と進められた。国力の基盤を培う国民教育については、小学校教育六か年の義務化が推進されていった。明治三〇年代のころには、壮丁男子はほとんど義務教育修了者をもって整えられるに至った。しかし、彼らのうちわずか一〇パーセントが小学校卒業後、中等学校以上に進学するにすぎず、わが村など山村では、年々わずか一~二名が進学していた。したがって、小学校卒業から徴兵まで八か年間は、大部分の者が教育の機会から遠ざかっていた。健兵、健民の立場から、義務教育終了者の教育は、重要国策として注目されるに至った。ここで明治末期から、昭和二〇年の終戦に至る四五年間にわたる義務教育終了者の教育経過についてみよう。