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柳谷村誌

三 被りもの

 手拭い 

 仕事着としての被りものに手拭いが多く用いられた。テノゴイとも呼んでいた。日を除け汗を吸う便利さで、男子はほほかむり、鉢巻き、女子はねえさん被りで頭や顔を保護した。

 帽 子 

 帽子は、明治の時代になって西洋から入ってきたもので、我が国では昔から、さまざまな頭布が被られていた。明治二七・八年ころから、昭和の時代にかけて一般的に流行したものに、中折帽子と鳥打帽子がある。中折帽と呼び、官吏も紳士も、商人・学生・職人も、老若の別なく、和服によく似合ったので、非常に流行したという。大正から昭和初期にかけて、夏、男子のカンカン帽が流行したが、キョウギ帽などが出回ってから姿を消した。太平洋戦争中は、戦闘帽・ヘルメットが用いられた。また防空用として綿の入った防空頭布を、おとなも、こどももみんな被った。この頭布は、江戸時代に武士が被っていた、山岡頭布といわれる頭布の名残りをとどめていたという。戦後は、しばらく防寒用として愛用されていたが、皮やビニール製の防寒帽が出回るようになってから姿を消した。長髪化の時代となって、ふだんはほとんど無帽の場合が多いが、作業用としては男女共にキョウギ帽・登山帽・野球帽類似の帽子が多く用いられてきたが、最近では、労働の安全、交通の安全上、ほとんどヘルメットを被るようになってきた。学生は黒の学生帽、園児や児童は、交通安全のため、黄色の野球帽をかぶるようになった。