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柳谷村誌

第一節 伝説

 伝説は、われわれの先人がつくったものであり、無形の文化遺産である。そのほとんどのものが、誰がつくったともなく、またいつからともなく、語り伝えられているものである。
 伝説は、山、川、滝、渕などの自然や、神社、寺、人物などの歴史に、その神秘性や偉大さ、信仰や思惑が結びつき、さまざまな話しが生れているものである。
 我が村の伝説は、自然に関するものでは、草木よりも、滝や渕に関するものが多く、これに関連して、八釜の龍王をはじめ、龍神、大蛇に関するものが多い。
 歴史的な伝説では、史実に乏しいものとして伝わっているものがほとんどであり、その内容は民話的なものが多い。これら歴史伝説のなかで、平家の落人に関連するものが多いのも特徴といえよう。また人物的なものでは、稲村弾正、兵衛の太夫にまつわるものが非常に多いようである。
 我が村に伝わる多くの伝説の中から、その一部を述べてみる。