データベース『えひめの記憶』
柳谷村誌
一 予兆
① 天候に関するもの
夏の夕焼け橋渡り行くな。
秋の夕焼け鎌をとげ
トンビが夕方鳴くと、次の日の午後雨が降る。
月にカサがかかっていると雨が降る。
蜂の巣が木の高い所にできるとシケ(台風)がなく低いとこ
ろにできるとシケがある。
カツボ(ブト)や羽アリが多くでると雨が降る。
春の雷の一つ鳴りは大ジケがある。
春の雷の一つ鳴りは大雪がある。
朝曇り太陽の元(晴になる)
朝てっかり、あてにはならん(雨が降る)
朔日日和、三日より内雨となる。
猫が朝顔を洗らうと雨が降る。
コオロギが鳴いたらシケがやむ。
梅雨に雷が鳴ったら、梅雨があがる。
山姥が子をはらむと、その冬は暖い。
嫁入りの時天気がよかったら、その人は生れた時もよかった。
死んだ時天気がよかったら、その人は生れた時もよかった。
② 夢に関するもの
人が死ぬ夢をみると、赤ちゃんが生れる。
赤ちゃんが生れる夢をみると人が死ぬ。
牛の夢をみると氏神様にお参りしなければいけないというお告げ。
蛇の夢を見ると縁起がよい。
葬式に会う夢はよい。
結婚式に会う夢は悪い。
初夢は、一富士、ニタカ、三ナスビがよい。
先机の夢は悪い。
朝方の夢は、夢があう。
魚の夢は悪い。
歯のぬけた夢は悪い。
家を建てる夢は悪い。
大勢の客を相手にした夢は悪い(人集り)
③ 動植物に関するもの
竹に花が咲くと将来悪いことがおこる。
作物が普通よりよくできると、別れの作といって悪い。
カラスが家の近くで鳴くと、悪いことがある。
ねずみが家に急にいなくなると、火事がおきる。
庭木に桜を植えると、桜の木が枯れたときその家は滅る
三毛猫の尾ばちの長いのは化けてでる。
青梅がくさったり、味噌がすっぱくなったら人が死ぬ。
夜の蜘蛛は、親に似ていても殺せ。
朝蜘蛛は鬼に似ていても殺すな。
鬼門の所に南天を植えるとよい。
ニワトリの朝鳴きは良いが、夜鳴きは悪い。
④ 場所・日時・方向に関するもの
正月元旦の朝早く女の人が来ると縁起が悪い。
ヘビ年生れは一生金に不自由しない。
棟上げの時、雨が降ると「降り込む」といって縁起よい。
元旦の日に、ミソサザエを見ると、その年は縁起がよい。
夜履物をおろすと縁起が悪い。やむを得ぬ時は墨をぬる。
午の日に火をたくと火事になる。
子の年は豊作。
ひのえ午の女をとると男の命が短い。
女の人が正月に死ぬと、その年はたくさん人が死ぬ。
おてんとうさんがお隠れ(日食)になっているときは毒が降る。
建築・縁談は友引が良い。
結婚式は大安が良い。
結婚式の日、式が始ってからの雨は良いが、始まる前の雨は悪い。
七夕の日に雨が降るとムギョ(収穫)が悪い。
二十日正月にひもじい思いをするとその年は、年中ひもじい思いをする。
寅年生れの人は向う気が強い。
卯年生れはやさしい。
丑年生れはがまん強い。
⑤ その他に関するもの
結婚は同じ年は良い。
目のふちにホクロがあると泣きぼくろといって悪い。
嫁さんが妊娠していたら、主人のすることなんでもうまくいく。
庚申の日に身ごもった子は盗みをする。
嫁に出ていく時には「シヤクシを買いに行け」といって出すと良い。
人の死ぬのは潮が引く刻で、人が生れるのは潮が満ちる刻である。
鏡を割ると縁起が悪い。
妊婦がすべりこけたらヘソのオをまいた子供が生れる。
人が来て長居をしている時、ほうきを立てると帰る。
病人の横足がはれると、その病人は先が長くない。
病人が寝ていて手を見るようになったら、先が長くない。
みけんが狭い人は気短かである。
えりアザのある人は着る物にめぐまれるといって幸福になる。
妊婦の顔がきついと男の子が生れる。
爪をやいたら気ちがいになる。
便所をきれいにしていたらきれいな子が生れる。