データベース『えひめの記憶』
上島町
藤原佐理(944〜998)
天慶7年~長徳4年(944~998)書家。平安中期の名書家の一人で、小野道風、藤原行成とともに三蹟の名が高い。正三位兵部卿であった。大三島の大山祇神社に、佐理か書いたと伝えられる木造の扁額(国指定重要文化財)がある。これについては、「大鏡」の中に逸話として次のように書かれている。
長徳元年大弐(太宰府の次官)の任を終えての帰路、伊予国の手前で海が荒れ出帆できないで困っていると、夢の中に三島明神が現れて、「実は私があなたを引き止めているのだ。ぜひ私の社の額を書いてほしい」と懇願する。そこで大三島に赴き、神前で額を書いたという。しかも、これは舟板に鮮かに書いたものである。なお、弓削町明神には佐理が漂着したという碑がある。(『愛媛県史 人物』より)