データベース『えひめの記憶』

えひめの記憶 キーワード検索

八幡浜市

吉田亀三郎(1873〜1931)

【吉田亀三郎顕彰碑 より】
 吉田亀三郎は、明治五年二月二十八日、川之石村楠浜に生まる。
 幼少より海に親しむ。長じて海外雄飛の大志を立て、明治四十四年合衆国に密航するも、捕らえられ送還さる。しかれども雄心なお止み難く、同志あい語らい、再度渡航を計画す。
 大正二年五月八日自ら船長となり、二間×七間半の打瀬船に身を託し、一行二十六名、川之石を出航、太平洋横断の壮挙に出ず。
 途中、暴風雨に遭遇すること再度、無卿、不安、生死の間を彷徨し、あらゆる困苦に迫られるも、船長の統御よろしきを得、乗員一同の結束かたく、遂に日本出発以来四十有六日にしてカナダ、クインシャーロット島を経、七十五日目、ベラベラに上陸す。
 思うに、この壮挙は、米国移民法により当時は密航の謝り謗りは免れざりしも、自ら萬里波濤を蹴って困苦欠乏に耐え、海外雄飛の大望を決行せしは、まことに世人をして驚嘆振起せしむると共に、今日、一行中の平家宗春、現在カナダ人としてトロント市に在住するも、船長の恩義忘れ難く、墓参帰国の機に郷薫有志と相はかり、この地を定め碑を建立し、後世に遺す。  昭和三十八年一月吉祥日


①吉田亀三郎顕彰碑

①吉田亀三郎顕彰碑

八幡浜市保内町宮内1-193(八幡浜自動車教習所付近)