データベース『えひめの記憶』
伊方町
古田仙右衛門(1792~1871)
寛政4年(1792)二見浦加周に生まれた。だれも住んでいなかった大成の浜が、漁場として将来性があることに着目して、漁場の開拓を人々に相談したが、だれも相手にしなかった。そこでひとりでこの難事業を計画し、3年の間、毎日大成の干潮・風向・海深・潮流などを調査して、天保9年(1838)大成に移住し、人夫を雇い波止を築き始めた。しかし風波のため何回となく崩れ、ついに人夫も逃げ出し、ひとりで石を運び、私財のほとんどを使い果たして、その日の食事にも困るほどになったが、くじけず頑張り通して、2年4か月後に130mの大波止と、36mの小波止を造りあげた。この工事完成によって漁場も開かれ、多くの人が住みつくようになった。現在、波止のそばに頌徳碑が建てられている。
明治4年(1871)6月13日死す。年80歳。(『伊方町誌』より)