データベース『えひめの記憶』
わがふるさとと愛媛学Ⅱ ~平成6年度 愛媛学セミナー集録~
◇はじめに
菊池
菊池でございます。よろしくお願いいたします。
本日は対談講演となっておりますが、私は聞き役に回りまして、豊田先生に主に御講演していただくというようにいたしたいと思います。
はじめに「愛媛学セミナー」についてですが、セミナーという言葉、あまり聞き慣れない言葉かもしれませんが、昔はドイツ語読みでゼミナールと言ったりしておりました。セミナーというのは英語でありまして、共同研究というような意味なのです。
次に、「愛媛学」とは何かということですが、これについては、あまり堅苦しいことを考えないで、皆さんの日々の生活の中に、それぞれ文化というものがありますが、そういう生活文化を見直してみようということではないかと思います。したがって、今日のテーマは、「愛媛学」でありますが、同時にそれは「三瓶学」でありまして、さらにまた、「下泊(しもどまり)学」であり、「津布理(つぶり)学」であるのではないかと思うわけです。のちほどのワークショツプでは、そうした地域の代表の方々にお話しいただきますが、そういう身近な地域を見直すことによって、その集合体としての「愛媛学」があるのではないかと思います。
そういう意味で、「愛媛学」というのは我々の日常生活を起点にしているわけで、難しいことはあまり言わないで、自分の足元を見直し、自分の生活の再発見と言いますか、忘れられつつあるものとか、地域のいろんな個性、特性、そういう自分の周辺の個性を再発見する。そして、そこからもう一度新しい郷土というものを作り直してみようじゃないか。言い換えれば、新しい創造と言いますか、そういうものが、「愛媛学」ではないかと考えているわけでございます。本日は、そこへ向かって、このセミナーを進めていきたい、こんな風に考えております。このセミナーを通じて、ここにいらっしゃる皆さんが、「愛媛学」、あるいは「三瓶学」のきっかけをつかんでいただいて、今後、それぞれの立場で大いに発展させていただきたい、このように思うわけです。
海を隔てた九州とこの四国、また、この三瓶との交流は、古い時代からあるわけですが、この海上の道というものを、これから豊田先生にお伺いしたいと思います。レジュメを見ますと、学問との出会いから始まって、豊予海峡トンネルの話まで、御準備いただいておりまして、有意義なお話をお聞きできるものと楽しみでございます。
では、先生、どうぞよろしくお願いします。