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身近な「地域のたからもの」発見-県民のための地域学入門-(平成22年度)

(3)記録の取り方

 ア 調査メモ

 ノートと筆記用具は常に持ち歩き、調査対象についての情報だけでなく、見たことや聞いたこと、感じたことや疑問に思ったことなどをその場でメモしておきます。その際に、調査年月日や場所、情報源などを正確に記録しておきましょう。
 調査対象が、遺跡や遺物、文化・産業遺産などの場合は、対象の大きさや形などをはじめ、どんな場所にあるか、いつ造られたものか、誰が造ったのか、何のために造ったのかなどできる限りの情報を得て、記録しましょう。場所や配置は図で表わして説明を加えておくと、後で調査内容をまとめるときに役立ちます。

 イ スケッチ

 できるだけスケッチをしましょう。スケッチをすることで細かな観察ができます。ただ見るだけや写真を撮っただけでは気づきにくいことも、きちんと把握することができますし、写真撮影が禁止されている場所でもスケッチはできます。その上、対象の大きさや長さ、周囲の様子などの説明も簡単に加えることができます。

 ウ 写真を撮ろう

 写真は文字よりも多くの情報を短時間で伝えることができ、人の目で見た情報を正確に伝えることができるので、レポートをまとめる際に有用な素材となります。調査対象はもちろんのこと、調査にかかわりのありそうな気になるものも撮影しておきましょう。遺跡や文化財などの説明板や案内板の文章も、撮っておくと後からパソコンを使って拡大して読むことができます。また、写真を撮った時には気づかなかったことでも、写真を見直すことで改めてわかることがあります。
 写真を撮るときは、できるだけ「遠距離撮影」「中距離撮影」「近距離撮影」の三点撮影を行いましょう。また、石碑や建物などは、正面だけでなくいろいろな方向から撮影し、カメラにズームやパノラマの機能があれば、どんどん活用しましょう。ただし、個人や団体が所有するモノを撮る場合は、報告書に掲載することを説明し、事前に撮影許可を取るようにしましょう。
 写真は、ただ撮影しただけでは記録とはいえません。撮った写真についての情報が必要です。撮影番号、いつ(年月日・時間)、どこで(地名・場所)、だれが(撮影者)、何を、どのような状況で撮影したかなどを必ずメモしておきます。

 エ ビデオカメラで録画

 祭りや民俗芸能など「動き」のあるものや、鍛冶(かじ)屋や桶(おけ)屋など職人の技術についてまとめる場合、写真や文字では記録に残しにくいことも、映像であれば豊かな内容のまま記録することができます。その上、調査現場での体験をそのまま再現できるので、レポートを作成するための有効な資料になります。レポートの発表会や調査報告会があるときには、ビデオカメラで撮った映像を活用することで、聴衆の興味・関心を高めることもできます。