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瀬戸内の島々の生活文化(平成3年度)

(1)岩神(いわがみ)神社社叢(松山市門田町小室)

 興居島北東部の海抜50mの東斜面にあり、遠望すれば社叢の部分のみ濃緑色となって見える。林の上下はミカン畑となっている。境内には祠(ほこら)があり、その奥には磐座(いわくら)とも考えられる巨大な露岩があり、ここにも小祠が祭られている。
 この社叢は、古来より神域として開発から免れたもので、樹高約18mのホルトノキが優占し、ホルトノキの単純林状態となっている。多くの木は株立ちをしており、1株から2~9本の幹が出ているので、かなり古い萌芽林であろう。林内にはヤブニッケイ・カクレミノ・ホルトノキ・シロダモ・ナナミノキ・ヤブツバキ・クスドイゲ・ネコノチチなどが出現し、林床はノシラン・ムサシアブミなどの暖地性植物が出現する。かつて、この林は伐採の危機があったが、由良小学校の児童が調査し保護を訴えたため、松山市の天然記念物に指定され保全されることになった。しかし、台風の被害などを受けて、上部のホルトノキに枯損が目立つ。
 社叢を構成する主な植物は次のとおり。高木層:ホルトノキ・ナナメノキ・カクレミノ・ヤブニッケイ・ムクノキ。亜高木層:カクレミノ・シロダモ・ホルトノキ・フジ・ヤブツバキ。低木層:ヤブニッケイ・イヌビワ・カクレミノ・シロダモ・ヒサカキ・マサキ・ツルマサキ・ホルトノキ・ナナメノキ・マンリョウ・ネズミモチ。草本層:ビナンカズラ・ムサシアブミ・ノシラン・ベニシダ・イノデ・テイカカズラ・ヘラシダ・ホシダ・ムペ・ケヤキ・ヤブニッケイ・イヌビワ・フユイチゴ・マサキ・ジャノヒゲ・シュロ・ツワブキ・イタビカズラ・カクレミノ。

写真2-1-4 岩神神社

写真2-1-4 岩神神社

平成4年2月撮影