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愛媛の景観(平成8年度)

第2節 ふるさとの海

 愛媛県は複雑な海岸線をもち、面する海域は、佐田岬半島によって瀬戸内海と宇和海に分かれる。
 本節は、この海に浮かぶ島々とリアス式海岸を舞台に、昭和を生き抜いた人々のくらしを通して、ふるさとの海の景観を描くとともに、これからの海とのかかわりを考えようとするものである。
 「1 小島のくらし」では、本州四国連絡橋尾道・今治ルート(西瀬戸自動車道)の建設が進む来(くる)島海峡に浮かぶ、馬(うま)島と小(お)島(今治市)および宇和海の孤島竹ケ島(津島町)に焦点を当てて、海と深くかかわってきた島守たちの、島への熱い思いとしたたかに生きる姿を追ってみた。
 「2 女たちの海」では、遊子(ゆす)漁業協同組合(宇和島市)の婦入部が取り組んできた、「海をきれいにする運動」に焦点を当て、地域の漁業環境を整備する中で生み出された生活改善の動きと女性自立への歩みを探ろうとした。
 「3 海人の夢」では、三崎漁業協同組合青年漁業者連絡協議会の若者たちが、婦入部の「海の清掃活動」に触発されて取り組んだ「海は恋人」運動のねらいを明らかにしようとした。あわせて、宇和海海中公園を彩るサンゴの保護に取り組む人々の姿を通して、普段見慣れない海中の景観にも光を当てた。