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愛媛の技と匠(平成9年度)

第2節 蔵に生きるふるさとの匠

 日本の食生活は、自然の恵みに支えられいろいろな料理を生み出している。その中でも、酵母(こうぼ)や麴(こうじ)を利用した食品は昔の人々の知恵と努力によって技術的に確立され、今もそれを利用したものが和食のベースになっている。この節では、それぞれの醸造技術の技を聞くとともに、地域とどのようにかかわり、また、社会の変化に伴う技術の変化やそれにかかわってきた人たちの生活がどのように変化してきたかを明らかにしようとした。
 「1 麴の香りの中で」では、まず味噌(みそ)づくりに注目し、西宇和郡三瓶(みかめ)町の味噌づくりや家庭でつくる味噌の味を守る生活改善グループの活動を追った。次に醤油(しょうゆ)を取り上げ、伊予郡双海(ふたみ)町の醤油醸造を中心に、醤油へのこだわりについて考えてみた。さらに、酢にも注目し、新居浜市の酢醸造所を取り上げ、酢づくりにかける情熱や技術の移り変わりを探った。
 「2 こくを求めて」では、焼酎(しょうちゅう)に注目し、東宇和郡城川(しろかわ)町の特産物を生かした焼酎づくりを取り上げた。次に地ビールに注目して、平成8年より地ビールの製造を始めた道後(松山市)の老舗(しにせ)の日本酒蔵元を取り上げ、地ビールの製造やその意義について探った。