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愛媛県史 社会経済1 農林水産(昭和61年1月31日発行)

二 試験研究機関


 農事試験場園芸部

 愛媛県農事試験場(明治三三)に園芸部が置かれたのは、明治四〇年であるが、研究指導は普通作の技術者が兼務した。果樹の栽培関係は、鳥海二郎、病虫害は、矢能延能が夫々指導につくした。当時の試験研究事項は、表2-3のようなものであった。

 久松家果樹園

 明治四三年旧松山藩主久松定漠は、桑原村東野(旧御茶屋の一部)に約二町歩の果樹園開設を企図し、県農会技師岡田温を相談役として開園が進められることになり、翌四四年(一〇月)植え込みが完了した。温州ミカンを主体に栽培するかたわら、一部種類園として三〇余種の果樹を蒐収試植して、種々の試験研究や比較調査などが実施された。園の管理責任者には、果樹栽培技術に優れた人材が当たり、昭和二三年まで久松家果樹園として経営された。その間一般果樹栽培家の啓もう指導に果たした役割は極めて大きなものがあった。


表2-3 明治時代の果樹に関する試験研究事項

表2-3 明治時代の果樹に関する試験研究事項