近代〔明治38（1905）～明治41（1908）〕

1905 　（明治38）〔乙巳〕

　【月日】　　　【事項】

　１―11　　　県立西条中学校今治分校、今治中学校に昇格独立認可される（４―１独立）〔今治西高等学校要覧〕。
　１―23　　　温泉郡産牛組合設立される〔愛媛畜産沿革誌〕。
　１―24　　　松山市、市立第一病院をロシア人捕虜収容所として貸与する〔松山市史年表〕。
　１―　　　　住友別子鉱業所四阪島製錬所竣工、製錬事業をすべて移す〔別子開坑二百五十年史話〕。
　１―　　　　西宇和郡三崎村に痘瘡発生、県下に87名の患者を出す〔県医師会史〕。
　１―　　　　正岡子規著『仰臥漫録』刊行される〔近代日本総合年表〕。
　１―　　　　夏目漱石、『ホトトギス』に「吾輩は猫である」を掲載しはじめる〔近代日本総合年表〕。
　２―１　　　北宇和郡織物同業組合設立される〔新報〕。
　２―４　　　県、屎尿汲取運搬取締規則を布達する〔県布達〕。
　２―７　　　松山市役所～県庁間に電話開通する〔海南〕。
　２―８　　　元衆議院議員で松山市の高須賀穣、オーストラリアに渡航し、翌年より米作を開始する〔シソンズ論文〕。
　２―22　　　道後温泉、陸軍療養地となる〔道後温泉〕。
　２―24　　　県、害虫駆除予防法施行規則を制定する〔県布達〕。
　２―　　　　大洲町に伊予生蠟同業組合設立される〔県誌稿〕。
　２―　　　　松山に収容のロシア人捕虜2,329名を数える(４―30 4,043名・11―10 2,163名）〔松山捕虜収容所日記ほか〕。
　２―　　　　菊間の伊予製瓦職工組合、業者側と職工賃金を協定する〔菊間製瓦職工組合記録〕。
　３―４　　　県、森林原野火人規則、公有林整理規則を制定、部落有林・入会地の整理統一が開始される〔県布達〕。
　３―23　　　県、県税検査規則を判定する〔県布達〕。
　３―　　　　今治町・越智・新居・周桑郡の業者、伊予白木綿業組合を組織する〔今治綿業発達史〕。
　４―１　　　松山地方裁判所西条支部廃止される〔新報〕。
　４―１　　　松山城山上の午砲（ドン）、毎日報ぜられることになる〔県警察史〕。
　４―14　　　県、産牛組合補助規程を制定する〔県布達〕。
　４―24　　　県農会技師岡田温ら、煙害問題につき越智郡・周桑郡の作物調査を実施する（～明39・９―17）〔海南〕。
　４―27　　　県、遠海漁業奨励補助規程を制定する〔県布達〕。
　４―　　　　伊予水力電気㈱の事業進展し､同社の電灯需要数6,000灯をこえる〔四国地方電気事業史〕。
　４―　　　　松山市に私立勝山女学校開校する〔済美高等学校80周年記念誌〕。
　５―10　　　県、工業試験場伝習生(染織科男20名、機織科女２名)の郡市別募集割当をきめ、その勧誘を郡長に依頼する〔新報〕。
　５―11　　　越智・周桑・新居各郡間の燧灘漁業権紛争、調停される〔燧灘漁業史〕。
　５―15　　　官営煙草発売される(県下で松山・今治に製造所設置)〔新報〕。
　５―27　　　日本海海戦おこる(～５―28)。
　５―28　　　自転車レース、道後公園東トラックで開催される〔海南〕。
　５―30　　　県、御真影並に勅語謄本取扱規程を廃し、御真影並びに教育に関する勅語謄本奉守規程を定める〔県布達〕。
　５―31　　　県、行政機構改革を実施し、事務を知事官房と第一部～第四部に分掌する〔県処務細則〕。
　５―　　　　西宇和郡川之石村(保内町)に白石紡績所設立される(旧宇和紡績を引き継ぐ）〔県統計書〕。
　５―　　　　久万町に久万山蚕種製造㈾、東宇和郡宇和町に白井製糸工揚が設立される〔新報〕。
　６―14　　　松山公会堂収容の俘虜将校数名、深夜に逃亡を企て翌日今出の海岸で逮捕される〔新報〕。
　６―　　　　大洲町の河野㈴、大洲製糸㈱を買収し河野㈴二本松工場起業する〔伊予蚕業沿革史〕。
　６―３　　　芸予地震により県下に被害が発生する〔新報〕。
　７―３　　　松山商業会議所解散を決議する〔新報〕。
　７―５　　　越智郡酒造組合、県の認可を受けて設立する（今治市本町）〔四国醸造業界史〕。
　７―15　　　県、料理屋及び飲食店営業取締規則を制定する〔県布達〕。
　７―16　　　師範学校紛争おこる(関係生徒無期停学、校長引責辞職)〔新報〕。
　７―18　　　県下風水害に見舞われる(銅山川・国領川流域被害甚大)〔県気象災害史〕。
　８―16　　　県下豪雨に見舞われる(新居・周桑両郡の浸水10日余、死者12名)〔県気象災害史〕。
　８―　　　　今治の綿ネル、松山の伊予絣業界好況を呈す〔新報〕。
　８―　　　　喜多郡の秋蚕は洪水のため桑葉不足で不良、西宇和郡では多雨のため軟化病にかかる桑葉が増加する〔新報〕。
　９―５　　　日露講和条約(ポーツマス条約)調印される。
　９―29　　　内務省、地方青年会の向上発達に関し、通牒を発す(青年団に関する最初の施策)。
　９―　　　　別子銅山の電車敷設工事(東平～東延斜坑)、自動複式索道(東平～黒岩)完成する〔別子開坑二百五十年史話〕。
　９―　　　　宇和島町に県水産模範罐詰製造所が開設される〔新報〕。
　９―　　　　宇和島地方の綿織業界活況を呈す〔新報〕。
　９―　　　　塩専売制実施(６月)にともなう賠償価格に不満をもつ香川・愛媛両県の製塩業者による同盟休業と降雨多量のため、製塩量減少する〔新報〕。
　９―　　　　住友別子鉱業所の採鉱課改革の紛擾発生する(明39年の飯場制度改革、40年の暴動の起点）〔採鉱課改革ニ関スル書類〕。
　10―８　　　愛国婦人会愛媛支部発会式、道後公園で開催、婦人5,000名余参加する〔海南〕。
　10―17　　　八幡浜町で県木蠟大会開催、同業組合の設立と圧搾製蠟機械の導入等を決議する〔新報〕。
　10―　　　　石崎汽船会社、三津～尾道航路を開設する〔県誌稿〕。
　11―17　　　今治の阿部会社、韓国に出張所を設立するため阿部光之助渡韓する〔新報〕。
　11―20　　　後備歩兵第22連隊が第１陣として高浜港へ凱旋する〔歩兵第22連隊史〕。
　11―25　　　通常県会開会される(12―24閉会)〔県会資料〕。
　11―25　　　川上音次郎一座、新栄座で「ハムレット」､「うかれ胡弓（わが国児童劇の祖）」などを上演する〔海南〕。
　11―30　　　愛媛新報社、株式会社に改組する（12―２松山市湊町に移転）〔新報〕。
　12―24　　　伊予農業銀行、八束銀行を買収する〔伊豫銀行史〕。　
　この頃　　　需要者の嗜好向上により桜井漆器生産は安価な渋地塗から堅牢な堅地塗に移行、紀州塗を凌駕する〔伊予桜井漆器の研究〕。
　この年　　　県下織物業界・砥部焼好況に向い中国輸出も増進する〔新報〕。　
　この年　　　今治起毛㈾創立される(動力起毛機をもたない綿ネル工場経営者が共同して委託起毛の新会社を設立し生産工程の機械化をはかる)〔県誌稿〕。
　この年　　　吉田町の問屋清家藤逸、夏みかんを東京に出荷する〔県果樹園芸史〕。
　この年　　　宇和町の永長で試験的に耕地整理事業が開始される(翌年より県下各地に耕地整理事業広がる)〔愛媛の土地改良史〕。
　この年　　　県、蚕病予防事務所を置き、宇和島・宇和・八幡浜・大洲・西条の五か所に派出所を設置する〔県史社経〕。



1906 （明治39）〔丙午〕

　【月日】　　　【事項】

　１―９　　　出征中の歩兵第22連隊、高浜港に凱旋する(～１―11)〔四国師団史〕。
　２―11　　　愛媛畜産会および愛媛獣医畜産会設立される　〔海南〕。
　２―11　　　柳原正之(極堂)、政党色を廃除した｢伊予日日新聞」を再刊する〔愛媛新聞百年史〕。
　２―21　　　東洋活動大写真会、新栄座で映画を上映する(陸軍凱旋式海軍観艦式、旅順陥落など)〔海南〕。
　２―24　　　北米愛媛県人会会則制定される〔在米愛媛県人会発展史〕。
　３―５　　　県立商業学校、松山商業学校と改称の認可を受ける(３―29　改称)〔松山商業高等学校要覧〕。
　３―７　　　越智・周桑・新居の各郡の白木綿業者による伊予木綿同業組合設立認可される〔今治綿業発達史〕。
　３―26　　　西宇和郡立商業学校が県立移管、八幡浜商業学校と改称の認可を受ける（４―１　改称）〔八幡浜高等学校要覧〕。
　３―29　　　県立農事試験場東豫・南豫分場廃止される〔県布達〕。
　３―　　　　清家久米一郎ら有志、三津を起点とし松山道後に至る電気軌道会社創立を出願する(９―２認可)〔伊予鉄道百年史〕。
　３―　　　　農商務省、県農会にサラブレッドなど洋馬を貸与、県下の馬の改良をはかる〔愛媛畜産沿革誌〕。
　３―　　　　宇摩郡川之江町の篠原朔太郎、手漉業に機械を導入し、初のビーター(原料叩解機)工場を設立する〔紙業界の技術先覚者篠原朔太郎翁をしのぶ〕。
　３―　　　　今治町に松本鋳造所創立される〔県統計書〕。
　４―１　　　夏目漱石の「坊っちゃん」、『ホトトギス』に掲載される〔同誌〕。
　４―13　　　私立今治技芸女学校の設立が認可される〔県教育史〕。
　４―17　　　県、麦稈経木真田業奨励規程を制定する〔県布達〕。
　４―20　　　県、県水産試験場の県庁内より宇和島町への移転を布達する（６月移転）〔県布達〕。
　４―24　　　県、種畜改良補助規程を制定する〔県布達〕。
　４―25　　　桜井忠温の『肉弾』刊行される〔同書〕。
　４―　　　　砥部焼の徒弟養成のため陶器補習学校が設立される〔砥部焼発達史概論〕。
　５―８　　　伊予水力電気㈱、三津～松山～道後間の電車敷設を申請、清家久米一郎らの電鉄計画と競争する〔伊予鉄道百年史〕。
　５―８　　　今治の綿ネル業者、伊予綿練同業組合を設立する〔新報〕。
　５―20　　　大日本武徳会愛媛支部発会式、同会演武場落成式、伏見宮殿下を迎え道後公園で挙行する〔新報〕。
　６―11　　　温泉郡三津浜町(松山市)に果物市㈱創立される〔海南〕。
　６―17　　　住友汽船、新居浜～阪神航路を再開する〔住友汽船物語〕。
　６―　　　　喜多郡菅田村(大洲市)に井関製糸場、同郡滝川村(長浜町)に三友舎製糸場、宇和町に佐々木製糸場、越智郡桜井村(今治市)に横田綿ネルエ場が設立される〔伊予蚕業沿革史〕。
　７―17　　　県、屠場法及び同施行規則、獣肉販売取締規則を制定する〔県布達〕。
　７―20　　　衆議院議員補欠選挙が実施され、山村豊次郎当選する〔愛媛の選挙〕。
　７―21　　　越智郡農会、煙害被害稲の標本を東京の農商務省農事試験場へ送付して鑑定を依頼する〔海南〕。
　７―27　　　私立大洲女学校を廃し、町立大洲高等女学校設立が認可される（９―開校）〔県教育史〕。
　７―　　　　別子銅山の請負者・坑夫頭など、住友別子鉱業所の採鉱請負制改革計画に反対し、紛擾発生する〔採鉱課改革ニ関スル書類〕。
　８―３　　　住友別子鉱業所、別子銅山へ請願巡査を配置するよう西条警察署角野分署へ請願する(８―19巡査別子山に登る)〔採鉱課改革ニ関スル書類〕。
　８―４　　　別子銅山の支柱夫、請負制度に反対して就労を拒否する〔日本労働運動史料〕。
　８―16　　　住友別子鉱業所、採鉱課改革要項を発表掲示する(９―６新制度による飯場頭を選出、９―10任命)〔採鉱課改革ニ関スル書類〕。
　８―　　　　松山煙草製造所、官製煙草〝なでしこ″を売り出す〔海南〕。
　９―２　　　内務大臣、松山電気軌道㈱発起人総代清家久米一郎らに電気鉄道敷設を許可する〔新報〕。
　９―12　　　温泉郡新浜村(松山市)で高浜港開港式が行われる〔海南・新報〕。
　９―20　　　今治電気㈱創立認可される(12月開業)〔新報〕。
　９―22　　　県、貧困児童補助規程を定める〔県布達〕。
　10―４　　　高浜開港に対する善後策を協議する三津浜町民大会開かれる〔海南〕
　10―20　　　県、荷車取締規則を制定する〔県布達〕。
　10―　　　　別子銅山採鉱課改革以後、坑夫は全般的な生計困難に陥る（元請負者からの借金・金銭融通の停止、低賃金・米価騰貴などの理由）〔採鉱課改革ニ関スル書類〕。
　11―９　　　西宇和郡川之石村にペスト発牛する〔海南〕。
　11―15　　　通常県会開会される（12―７閉会）〔県会資料〕。
　11―20　　　第１回社会教育通俗講談会、松山市の長円寺で開会される〔海南〕。
　11―24　　　住友別子鉱業所四阪島製錬所落成式挙行される〔新報〕。
　11―28　　　組合立西条実業女学校設立認可される(明40・４―15 開校､大11・４―１県立西条高等女学校と改称)〔西条高等学校要覧〕。
　11―　　　　今治町に阿部機械工場設立される（紡織・精米・製材機械）〔県統計書〕。
　11―　　　　県農会技師岡田温、越智郡の農作物被害の原因を四阪島製錬所の煙害と断定する〔新居浜産業経済史〕。
　12―３　　　今治綿ネル同業組合、朝鮮・満州に共同販売店設置を決定する〔新報〕。
　12―19　　　愛媛紡績㈱創立される(渋谷(名)八幡浜紡績所、職工358人を引き継ぎ、愛媛紡績八幡浜支店設立、本社大阪府)〔新報〕。
　12―26　　　松山医師会設立される〔県医師会史〕。
　12―　　　　東予４郡の綿織業者、今治町に伊予綿練同業組合を結成、認可される〔県統計書〕。
　12―　　　　伊予購買組合設立される(広域組合)〔県経済連史〕。
　12―　　　　喜多郡大洲町に喜多郡四国循環鉄道期成同盟会が組織される〔新報〕。
　この年　　　県下綿織業界盛況、設備拡大つづく(今治綿ネル業界では合資または合同で最新式の力織機を設備)〔新報〕。
　この年　　　川之江町に川之江紙業㈾設立される〔伊予紙見本帖〕。
　この年　　　今治町の阿部会社、国産力織機(豊田式)を設備する〔今治綿業発達史〕。
　この年　　　中島みかんの共同出荷開始される〔県果樹園芸史〕。　
　この年　　　県下の耕地整理事業開始される(俵津村・西山田村・八反地村など５か所、98町７反)〔愛媛の土地改良史〕。
　この年　　　南宇和郡内海村に赤痢発生、県下に大流行する（患者1,085人、死者254人）〔県医師会史〕。
　この年　　　住友の四阪島製錬所の煙害、越智・周桑・新居・宇摩など本県の東予地方各郡におよぶ〔新居浜産業経済史〕。



1907　（明治40）　〔丁未〕

　【月日】　　　【事項】

　１―１　　　夏目漱石、『鶉籠』を刊行する（小説『坊っちゃん』を所収）〔漱石全集〕。
　１―６　　　宇摩郡の三島町長・中之庄村長・金砂村長、連名で銅山川流水使用願を県に提出する（県知事安藤謙介、不許可）〔銅山川疏水史〕。
　１―８　　　海南新聞、県農会技師岡田温の「煙害調査顚末」を掲載する（～１―23）〔海南〕。
　１―10　　　喜多郡内子町に伊予晒蠟同業組合が設立される〔新報〕。
　１―10　　　喜多・上浮穴・伊予各郡の和紙業者、喜多郡天神社(五十崎町)に大洲産紙改良同業組合を設立する（明41・３設置認可)〔新報〕。
　１―20　　　森恒太郎ら、盲唖学校後援会(楽善会)を発起、愛媛県教育協会計画の盲唖学校設立助成のため資金募集に着手する〔県教育史〕。
　１―21　　　東京株式相場暴落する（日露戦争後の恐慌の端緒）。
　１―21　　　強盗亀事件おこる（明20以来中予・南予一帯で強盗・殺人などを行った池田亀五郎、長浜警察分署巡査を殺害、9―10逮捕、10―14死刑宣告）〔県警察史〕。
　１―25　　　南宇和郡立水産農業学校設立認可される（４―18開校）〔南宇和高等学校要覧〕。
　２―５　　　県、耕地整理及び土地改良事業奨励規程を制定する〔県布達〕。
　２―６　　　足尾銅山で大暴動がおこる（２―７軍隊が出動し600人検挙）。
　２―11　　　県下大雪となる（積雪30cm・農産物被害甚大）〔県気象災害史〕。
　２―19　　　政府、郡制廃止法案を衆議院に提出する(３―２衆議院可決、３―21貴族院否決)。
　２―　　　　八幡浜製糸場設立される(八幡浜町)〔新報〕。
　３―１　　　宇和島運輸会社の宇和島丸、この日より高浜港(松山市)に寄港する〔新報〕。
　３―23　　　松山市に私立崇徳女学校設立される（５―４開校）〔県教育史〕。
　３―29　　　風早銀行設立される(温泉郡北条町)〔伊豫銀行史〕。
　３―31　　　松山電気軌道㈱創立総会を開く(４―10社長夏井保四郎と決定、取締役は清家久米一郎ら７人、以後、伊予鉄道との競争が激烈化)〔新報〕。
　３―　　　　新居郡大町村(西条市)に白川織物工場創立される〔県統計書〕。
　３―　　　　越智郡波止浜村(今治市)に矢野織布場創立される〔県統計書〕。
　３―　　　　松山ハリスト教会設立される（ロシア人セルギー）〔四国地方キリスト教史年表稿〕。
　４―１　　　政府、樺太庁を開庁する。
　４―１　　　県庁に水産課を設置する〔県布達〕。
　４―１　　　西宇和郡八幡浜沖の佐島製錬所、伊予製鉱㈱から明治製錬の経営に移る〔海南〕。
　４―５　　　愛媛新報、安藤知事横暴史を連載する（～４―25、５―28～６―23 続編を連載）〔新報〕。
　４―９　　　松山市、市街電話を架設する〔新報〕。
　４―11　　　県、神社神饌幣帛料の供進に関する件を布達する〔県布達〕。
　４―13　　　県下暴風に見舞われる（佐田岬沿岸で妙栄丸難破、堀江海岸で土州丸座礁）〔県気象災害史〕。
　４―21　　　白石和太郎経営の白石紡績所(西宇和郡川之石村、もとの宇和紡績)、大阪紡績に売却される〔新報〕。　
　４―25　　　県、医師会規則施行細則を布達する〔県布達〕。
　４―　　　　温泉郡垣生村(松山市)の伊予絣仲買業者、今出絣㈱を設立する〔新報〕。　
　４―　　　　船田操、松山市に家政女学会を設立する〔済美高等学校80周年記念誌〕。
　５―１　　　松山重要物産共進会開催される（～15）〔新報〕。
　５―２　　　県、馬車営業取締規則を制定する（年末で馬車数194台）〔県布達〕。
　５―２　　　北宇和郡医師会が設立される(以後、各郡に医師会が誕生する)〔県医師会史〕。
　５―６　　　愛媛頌功会招魂祭開かれる〔新報〕。
　５―７　　　越智郡富田村(今治市)農民、四阪島製錬所の煙害に反対し郡役所へ押し寄せる〔大阪朝日〕。
　５―12　　　伊予銀行同盟会結成される(県下31行加盟)〔伊豫銀行史〕。
　５―14　　　松山城で開市三百年記念式挙行され、伯爵久松定謨来松する〔松山市史料集〕。
　５―27　　　石手寺本堂、三重塔､鐘楼など国宝に指定される〔愛媛の文化財〕。
　５―28　　　臨時県会開会され、高浜防波堤工事の全面廃止を審議する（５―30閉会）〔県会資料〕。
　５―　　　　西宇和郡千丈村（八幡浜市）に片島製糸場設立される〔県統計書〕。
　６―２　　　別于銅山、買上げ運動中の坑夫を解雇する〔新報〕。
　６―３　　　別子銅山坑夫同盟罷業、集会を開き不当解雇に反対し、負夫全員退職を決議する〔新報〕。
　６―４　　　別子銅山坑夫同盟罷業、採鉱課員との交渉決裂で､暴動化する〔新報〕。
　６―５　　　町立小松実用女学校設立認可される(９―12開校)〔小松高等学校要覧〕。
　６―６　　　歩兵第43連隊(善通寺)の出勤により別子銅山暴動鎮圧される〔新報〕。
　６―９　　　別子暴動関係者の検挙開始、58名検挙される〔新報〕。
　６―17　　　松山地方裁判所で別子銅山暴動事件の予審開始される〔新報〕。
　６―19　　　県、愛媛県臨時鉱毒調査会規定を制定する〔県庁資料｢煙害」〕。
　６―20　　　大阪商船・石崎汽船部・広島早速社の間で宇品～三津浜間の航海協定が成立する〔広島県史〕。
　６―23　　　「愛媛新報」、学生の非行を指摘し家庭教育の重要さを説く〔県教育史〕。
　６―27　　　温泉郡北条町安居島に遊郭設置許可される〔新報〕。
　６―29　　　県、水浴取締規則を制定する（昭22・５―２廃止）〔県布達〕。
　６―　　　　東宇和郡笠置村(宇和町)に竹田製糸場設立される〔伊予蚕業沿革史〕。
　６―　　　　北宇和郡吉田町に岡野製糸場創立される〔県統計書〕。
　７―１　　　松山実業夜学会、市立第二尋常校で開催される〔松山市史年表〕。
　７―２　　　愛媛県歯科医師会設立認可される〔県歯科医師会70年史〕。
　７―13　　　伊予絣改良策協議会を松山市で開催、粗製濫造の弊を改めることを協議する〔新報〕。
　７―18　　　県下暴風雨に見舞われる（船舶沈没５隻・死者１名）〔県気象災害史〕。
　７―20　　　県庁知事官房内で愛媛県臨時鉱毒調査会第１回委員会開催、四阪島・千原鉱山の鉱毒問題調査を決定する〔海南〕。
　７―24　　　政府、第３次日韓協約を調印する(韓国の内政を日本の統監の指導下におき、日本人を官吏に任命するなど)。
　７―24　　　県､行政機構改革を実施し､従来の第一部～第四部を廃して内務部・警察部の２部制を復活する(内務部一庶務課・土木課・会計課・学務課・農商課・水産課・林務課、警察部―警務課・保安課・衛生課・高等警察主任)〔県処務細則〕。
　７―30　　　第１回日露協約調印される。
　７―　　　　温泉郡道後村(松山市)の伊予製紙会社の製品、陸軍被服廠用品に指定され、販路拡張する〔松山市史年表〕。
　７―　　　　喜多郡滝川村(長浜町)に三瀬製糸場設立される〔伊予蚕業沿革史〕。
　８―３　　　県、外国渡航出願規則を制定する〔県布達〕。
　８―12　　　県、癩予防に関する件及び同施行規則扱手続を布達する〔県布達〕。
　８―13　　　県下にすい星現れる〔新報〕。
　８―16　　　周桑郡内の町村長、四阪島煙害救済上申書を県知事に提出する（８―18越智郡内町村長も同様に提出）〔県庁資料「煙害」〕。
　８―22　　　森盲天外らの尽力により、愛媛教育協会経営の私立愛媛盲唖学校設立認可される（10―16松山市二番町に開校）〔松山盲学校要覧〕。
　８―28　　　伊予織物同業組合、伊予絣改良調査会を設け、改良案を審議決定する〔新報〕。
　８―　　　　北宇和郡・西宇和郡の木綿縞・今治の丸今綿布などでは優秀な硫化染料を使用、伊予絣も日本藍をやめて硫化染料を用いることを県工業試験場が要望する〔新報〕。
　８―　　　　松山の海南新聞社内に石鎚登山会誕生する〔海南〕。
　９―７　　　県下暴風雨に見舞われる（～９―８別子山村で雨量946ミリ・県下で死者４名）〔県気象災害史〕。
　９―13　　　北宇和郡製糸同業組合設立を、同郡郡長が業者に指示する(明43・１宇和島町に同組合設立)〔新報〕。
　９―17　小林信近、松山市に電力のみを動力源とする伊予電力織布会社を設立する(明41・３―25操業開始）〔松山市史年表〕。
　９―18　松山地方裁判所の別子暴動事件予審終結する(62名のうち27名を予審免訴として釈放、27名を当地裁重罪公判、８名を同軽罪公判に附す)〔新報〕。
　９―20　私立勝山女学校、私立勝山高等女学校に昇格認可される〔明41・４昇格）〔済美高等学校80周年記念誌〕。
　９―21　県臨時鉱毒調査会、第１回煙害調査報告書を県知事に提出、四阪島製錬所の噴煙が農作物被害の主な原因であると確認する〔県庁資料「煙害｣〕。
　９―25　第15回県会議員選挙実施される(党派別当選者数：政友会23名・進歩党13名)〔県議会史〕。
　９―　　伊予郡砥部村に砥部窯業労働組合創立される〔愛媛県に於ける労働運動概況〕。
　９―　　愛国婦人会愛媛支部、県などの奨励により松山市をはじめ各郡市の小学校児童に麦稈真田の製造を普及させる〔新報〕。
　10―１　愛媛教育協会経営の小学校教員養成所開校する〔県教育史〕。
　10―10　松山警察署、ペスト予防のため松山紡績会社職工の健康診断を実施する〔新報〕。
　10―15　臨時県会開会される(10―15閉会)〔県会資料〕。
　10―18　英国人ブラック一座、寿座で奇術や催眠術を興行する〔海南〕。
　10―20　西宇和郡三机村(瀬戸町)に三机銀行設立される〔伊豫銀行史〕。
　10―25　県、コレラ病に関する告諭を発す〔県布達〕。
　10―　　師団管区改編、松山・温泉・伊予・越智・喜多・東宇和・西宇和・南宇和・北宇和の１市８郡で歩兵第22連隊(第５師団管下)、上浮穴・周桑・新居・宇摩の４郡で歩兵第43連隊(第11師団管下)を編成する〔二十二連隊始末記〕。
　11―５　松山市の実業家460余名、松山実業同志会を組織する(会長世良藤蔵)〔新報〕。
　11―16　通常県会開会され、大野ヶ原軍用道路建設費・蚕病検査所の設置などにつき審議する(12―９閉会)〔県会資料〕。
　11―20　松山興産銀行、仲田銀行となる(明41・１―18開業)〔伊豫銀行史〕。
　11―20　松山地方裁判所で別子暴動事件の公判開始される(12―20判決、26名有罪・５名無罪)〔労働運動史〕。
　11―22　今治電気㈱、蒼社川上流に長谷発電所を完成する(12月営業開始、今治町に点灯開始)〔四国地方電気事業史〕。
　11―　　松山市で一般用の電話架設事業が着手される(同市の電話期成同盟会の斡旋により180口の架設決定、明41・３―26松山市内に電話開通)〔松山市史年表〕。
　11―　　今治町に阿部紡績機械鉄工所創立される〔県統計書〕。
　12―６　県、電気軌道取締規則を制定する〔県布達〕。
　12―12　県、道路取締規則を制定する〔県布達〕。
　12―12　愛媛県織物同業組合連合会組織協議会開催される(明42・６設置認可)〔新報〕。
　12―18　越智郡菊間町の伊予製瓦組合創立総会開かれる〔新報〕。
　12―19　喜多郡粟津村(大洲市)に県女子蚕業講習所設立される〔大洲市誌〕。
　12―27　　　県、コレラ病根絶の告諭を発す〔県布達〕。
　12―　　　　松山の官庁・学校職員ら、松山購買組合を創設し、日用品の共同購買を行う〔県信連三十年史〕。
　この年　　　伊予購買組合、各産業組合が行う購買事業の共同化を推進する〔県経済連史〕。
　この年　　　北宇和郡九島村(宇和島市)に岡崎織物工場創立される(木綿縞)〔県統計書〕。
　この年　　　北宇和郡吉田町の商人による果実出荷組合(立喜組)設立される〔県果樹園芸史〕。
　この年　　　伊予郡の中山銀行解散する〔伊豫銀行史〕。
　この年　　　西条水力電気会社設立される〔四国地方電気事業史〕。
　この年　　　川之江の篠原朔太郎、回転式三角乾燥器を発明、製紙業の機械化を促進する〔紙業界の技術先覚者篠原朔太郎翁をしのぶ〕。
　この年　　　今治～大島間、大島～伯方島間、伯方島～大三島間、大三島～生口島間に電信用海底線を敷設、電報通信が可能となる〔四国電信電話事業史〕。
　この年　　　西宇和郡八幡浜町の井上清吾、トロール漁業を下関より導入、南宇和郡御荘町の小西左金吾、伊勢より海女を雇い入れてアコヤ貝購入事業を開始する〔愛媛旋網漁業史〕。
　この年　　　松山市に伊予牛乳生産販売組合設立される〔愛媛畜産沿革誌〕。
　この年　　　宇摩・越智・新居・喜多・北宇和・南宇和郡に准教員養成所開校される〔県教育史〕。
　この年　　　道後水月庵好川恒方、水月焼を考案する〔松山市史年表〕。
　この年　　　採貝漁業のため南宇和郡の漁民20余名、オーストラリアの木曜島へ渡航する〔和歌山県移民調査報告書〕。




1908　（明治41）〔戊申〕

　【月日】　　　【事項】

　１―１　　　高浜虚子、小説集『鶏頭』を刊行する〔高浜虚子全集〕。
　１―10　　　愛媛県水産組合の設立総会が県会議事堂で開かれる〔海南〕。
　１―10　　　伊予織物改良同業組合、織物税廃止の陳情書を貴衆両院と本県選出代議士に提出する〔新報〕。
　１―10　　　松山紡績、女工大募集を広告する〔新報〕。
　１―16　　　越智郡会議長、四阪島煙害の早期解決を安藤知事に上申する〔新報〕。
　１―25　　　篤志看護婦人会愛媛支会の発会式が行われる〔海南〕。
　１―　　　　松山実業同志会・松山実業会の有志、煙草・酒・砂糖・石油等の消費税引き上げ反対の決議をする〔松山市史年表〕。
　１―　　　　越智郡日吉村(今治市)に今治織物㈴が設立され、綿織物製造を行う〔県統計書〕。
　１―　　　　宇摩郡の和紙製造業者、伊予紙同業組合を創立する(三島町)〔愛媛県下に於ける労働運動概況〕。
　１―　　　　松山出身の押川春浪、雑誌『冒険世界』を創刊する(大８・12― 終刊)〔日本近代文学大事典〕。
　２―６　　　伊予絣製造業者ら、伊予絣改良期成同盟会を組織する〔新報〕。
　２―10　　　県、県社以下神社維持方法に関する規程を制定する〔県布達〕。
　２―13　　　県、愛媛県師範学校学則を制定する（１部・２部制採用）〔県布達〕。
　２―　　　　今治町に伊予綿布同業組合設立される(明40・11設置認可)〔今治綿業発達史〕。
　２―　　　　喜多郡の神南山国有林147町歩が地元町村に払い下げられ、模範林化がすすめられる〔大洲市誌〕。
　２―　　　　喜多郡豊茂村(長浜町)の出石寺付近での銅鉱採取問題、国会で取り上げられる〔新報〕。
　２―　　　　松山城濠の土手に大和桜250本植樹される〔松山市史年表〕。
　２―　　　　道後松ヶ枝町娼妓の自由廃業多発する〔松山市史年表〕。
　３―２　　　東宇和郡立農蚕学校設置認可される（５―１　開校）〔宇和高等学校要覧〕。
　３―16　　　政府、石油消費税法を公布、酒造税法・麦酒税法を改正し、増税を行う。
　３―23　　　県臨時鉱毒調査会第８回委員会開催、煙害地の認定・被害町村に作物試験地の設定など、住友と交渉すべき要件を決定する〔煙害会議録〕。
　３―26　　　松山郵便局が電話通話事務、電話交換事務を開始する(この日、電話開通式を松山市公会堂で挙行、市内商店街では祝賀行事実施)〔四国電信電話事業史・海南〕。
　３―26　　　松山市内に電話が開通する(加入者は183人)〔四国電信電話事業史〕。
　３―27　　　電力を動力源とする綿布織物会社(伊予電力綿布会社)が松山市で操業を開始する(女工数49名・力織機40台)〔新報〕。
　３―30　　　組合立弓削商船学校、県立に移管認可される〔県教育史〕。
　３―31　　　政府、地方税制限に関する法律を公布する(国税付加税の限度などを規定)。
　３―　　　　日本酒精㈱、北宇和郡八幡村(宇和島市)に酒精製造工場を建設し操業開始する〔県統計書〕。
　３―　　　　今治町の共同社(麓常三郎経営の白木綿会社)､越智郡盛口村(上浦町)や東伯方村(伯方町)に共同社分工場を設置、操業する〔県統計書〕。
　３―　　　　大阪商船の四国経由大阪・門司線、高浜に寄港開始する〔県誌稿〕。
　４―１　　　組合立西条実業女学校、新居郡立実業高等女学校と改称する〔西条高等学校要覧〕。
　４―10　　　政府、ロシアと樺太島境界画定書を調印する。
　４―26　　　周桑郡三芳村(東予市)に煙害被害地の農民2,000余人集合し農民大会を開催する(県知事・別子鉱業所支配人への解決方要求、大阪鉱山監督署・農商務大臣に陳情書の提出を決定)〔東豫煙害史〕。
　４―27　　　県農会長門田晋、総会の決議により煙害の解決を農商務大臣及び県知事に上申する〔新報〕。
　４―28　　　安藤知事、住友の四阪島製錬所にかかわる周桑郡・越智郡の煙害地を視察する(～５―２)〔新報〕。
　４―28　　　第１回ブラジル移民、愛媛県人21名も笠戸丸で渡航する〔伯制西爾行移民名簿〕。
　４―　　　　新居郡神拝村(西条市)に東予製紙会社創立される〔県統計書〕。
　４―　　　　今治町の野間綿練工場、越智郡岡山村(大三島町)や同郡乃万村(今治市)に分工場を操業させる(～明41・９)〔県統計書〕。
　５―１　　　全国紡績連合会の操業短縮により、松山紡績・和歌山紡績は夜間操業休止を実行する〔新報〕。
　５―２　　　周桑郡桜樹・中川・石根・田野(丹原町・小松町)各村の村長､千原鉱山の煙害解決を県知事および農商務大臣に請願する〔海南〕。
　５―５　　　安藤知事、四阪島製錬所にかかわる煙害状況報告書を内務省・農商務省に提出する〔新報〕。
　５―13　　　「海南新聞」、読者投票による本県実業家10傑(新田長次郎・清家久米一郎・玉井重吉・沼田覚太郎・玉井信之輔・瀬川喜七・吉村周一郎・田内栄三郎・佐谷文三郎・平井定次郎)を発表する〔海南〕。
　５―13　　　広島控訴院、別子凶徒嘯聚事件に関して、控訴棄却の判決を下す(６―29大審院､上告を棄却)〔新報〕。
　５―15　　　第10回衆議院議員総選挙実施される(当選者、加藤恒忠・才賀藤吉・田坂初太郎・夏井保四郎・高山長幸・渡辺修・武市庫太・村松恒一郎)〔愛媛の選挙〕。
　５―18　　　松山商工会、営業税反対運動を開始する〔松山商工会議所百年史〕。
　５―21　　　森肇自首事件おこる(総選挙落選者森肇の政友派選挙違反罪状告発)〔新報〕。
　５―27　　　周桑郡徳田村(丹原町)の興隆寺本堂、国宝(現重要文化財)に指定される〔愛媛の文化財〕。
　５―28　　　臨時県会開会され、三津浜築港工事を中心とする22か年継続土木事業計画が審議される（５―29閉会）〔県会資料〕。
　５―　　　　新居郡神拝村（西条市）に西条製紙場が創業する〔県統計書〕。
　６―８　　　安藤知事、農商務省と煙害対策を協議、農商務省はこの問題に直接関与せずと言明する〔新報〕。
　６―12　　　井上要ら進歩派幹部、土木事業反対陳情のため上京する〔新報〕。
　６―13　　　森盲天外著『一粒米』刊行される〔同書〕。
　６―23　　　県、森林法施行細則を制定する〔県布達〕。
　６―29　　　藤野政高ら政友会支部幹部、政府に22か年継続土木事業認可陳情のため上京する〔海南〕。
　６―　　　　県農会、稲原種田を県下各郡に設置する(18か村37か所)〔社経年表〕。
　６―　　　　松根東洋城編『新春夏秋冬』夏の部刊行される〔県史文学〕。
　７―１　　　宇和島町に愛媛織物同業組合設立される(同年５月、設置認可)〔新報〕。
　７―１　　　愛媛教育協会松山部会、徒弟夜学校を開設する〔新報〕。
　７―12　　　内務省、本県の22か年継続土木事業を条件付きで認可する〔新報〕。
　７―17　　　県、看護婦取締規則を布達する〔県布達〕。
　７―17　　　今治町の下駄職工、賃上げを要求して同盟罷業する(今治警察署員、罷業者を召喚して説諭)〔新報〕。
　７―23　　　新居郡青年団結成される〔県教育史〕。
　７―23　　　組合立三島女学校設立認可される(９―16開校)〔川之江高等学校要覧〕。
　７―23　　　越智郡20か町村長、煙害に関する陳情書を県知事に提出する〔新報〕。
　７―28　　　周桑郡14か町村長、煙害解決を農商務大臣に陳情する〔新報〕。
　７―29　　　県農会技師岡田温・久門新居郡農会長、新居郡氷見町(西条市)の稲田調査の結果、新居郡での煙害事実を表明する〔新報〕。
　７―　　　　松山市に関定商店開業する(和洋紙卸業、明45年、印刷業開始)〔同社資料〕。
　７―　　　　新居郡多喜浜村(新居浜市)に多喜浜食塩コークス㈾が設立される〔県統計書〕。
　７―　　　　私立愛媛実科・女学校設立される(私立沢田裁縫女学校・家政女学会とが合併）〔済美高等学校80周年記念誌〕。
　７―　　　　新居郡神拝村（西条市）の東予製糸会社職工､同盟罷業を行う（村長の調停で解決）〔労働運動史〕。
　８―１　　　県、自動車取締規則を制定する〔県布達〕。
　８―１　　　八幡浜警察署新築落成する（西宇和郡八幡浜町）〔県警察史〕。
　８―８　　　住友別子鉱業所久保支配人、周桑・越智両郡の煙害農民代表に対して、はじめて農作物の被害が噴煙によるものと認定する〔愛媛県の百年〕。
　８―10　　　県下水害に見舞われ、石手川氾濫する〔県気象災害史〕。
　８―11　　　越智郡日吉村(今治市)の小作人300名、煙害のため小作地返上を協議する(地主慰撫)〔労働運動史〕。
　８―18　　　県下水泳競技会(愛媛新報主催)、梅津寺海岸で開催される〔県体育史〕。
　８―21　　　住友総本店中田錦吉理事来県する(８―22～24越智郡農民代表と会談、形勢不穏で中断・引き揚げ）〔新報〕。
　８―25　　　越智郡内農民5,000人余、今治海岸に集合、越智郡煙害除害同盟会を結成する〔県庁資料「煙害」〕。
　８―26　　　周桑郡農民2,500人、大明神河原に集会、4,000人余、新居浜惣開の別子鉱業所へ押しかける(８―27総代、久保支配人と交渉の結果、住友本店との直接交渉に転換、８―28引き揚げ)〔新報〕。
　８―31　　　住友、県知事の要望に対して15日間の製錬所大煙突の使用中止を回答する(９―８より実施、９―23再開)〔県庁資料「煙害」〕。
　８―　　　　西宇和郡で佐島製錬所の煙害問題が起こる〔八幡浜市誌〕。
　９―１　　　県選出代議士、煙害地の視察を開始する〔新報〕。
　９―５　　　文部省に教科用図書調査委員会を設置、小学校用の修身・歴史・国語など国定教科書の審議にあたる。
　９―30　　　愛媛県警察犯処罰令制定される(10―１施行)〔県布達〕。
　９―　　　　大洲町に喜多製糸同業組合設立認可される〔県統計書〕。
　９―　　　　住友別子鉱業所、端出場火力発電所を水力発電所に改良、第４通洞開さく工事に着手する〔別子開坑二百五十年史話〕。
　９―　　　　宇和島町で芸妓組合が結成され規約を制定する〔新報〕。
　10―７　　　周桑郡田野村(丹原町)尋常小学校御真影紛失事件おこる〔県警察史〕。
　10―10　　　伊予水力電気㈱、松山市に藤原火力発電所を設置する〔四国地方電気事業史〕。
　10―13　　　戊申詔書発布される(個人主義的な快楽主義・官能主義の風潮・社会主義的思想の台頭などの傾向を戒めるため)。
　10―17　　　伊予鉄、松山駅改築落成式と創業20周年の祝典を挙行する(～10―18)〔伊予鉄道百年史〕。
　10―17　　　伊予鉄道開業20周年記念祝典を挙行、大和田建樹作詞の｢伊豫鉄道唱歌」が発表される〔海南〕。
　10―26　　　大野ヶ原軍用道路の基点地上浮穴郡父二峰村(久万町)落合の二名川の架橋工事が落成し、この橋を安藤橋(安藤謙介知事にちなむ)と命名する〔海南〕。
　10―31　　　政府、韓国と漁業協定に調印する。
　10―　　　　伊予水電㈱、松山紡績に電力供給を開始する〔伊予鉄道百年史〕。
　11―３　　　伊予郡青年会連合団結成される〔県教育史〕。
　11―３　　　農商務省、越智郡・周桑郡・新居郡の煙害調査のため、稲作の坪刈調査を開始する(～12―１)〔新報〕。
　11―13　　　県、済貧恤救規程を制定する　〔県布達〕。
　11―20　　　愛媛県庁舎の増改築起工される(明42・６―26落成式挙行)〔新報〕。
　11―20　　　通常県会開会され、県師範学校女子部の分離独立問題、煙害救済問題などについて審議する。継続土木問題では審議が紛糾して進歩派議員が退場する(12―11閉会)〔県会資料〕。
　11―30　　　太平洋方面の現状維持に関する日米協約が結ばれる(高平・レート協定)。
　12―11　　　県会、四阪島煙害救済の意見書を内務大臣に提出、また煙害解決の上申を知事に建議する〔県会議事録〕。
　12―　　　　周桑郡の千原鉱山の所有者薮内仙蔵、同郡桜樹村(丹原町)千原部落に煙害賠償金年額700円､農事奨励費年額300円の拠出を契約する〔新報〕。
　12―　　　　柳谷鉱山坑夫31名、賃上げを要求して同盟罷業を行う〔保内町誌〕。
　この年　　　県内企業不況に陥り、特に上半期は深刻となる(紡績・伊予絣･砥部焼･製糸・金融界)〔新報〕。
　この年　　　県農会、県費補助を受け特別桑園を設置して接木苗を育成、20万本の無償配布を行う(県農会が指導し各郡に模範桑園設置)〔社経年表〕。
　この年　　　新居郡農会、肥料共同購人規程を定め、肥料購買の共同化を図る〔県経済連史〕。
　この年　　　宇摩郡金生村(川之江市)に金生ビーター㈱(製紙原料叩解)設立される〔伊予紙見本帖〕。
　この年　　　県下の郵便局集配人の同盟罷業多発する〔労働運動史〕。