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伊予市誌

二、観光施設

 谷上山公園 
 皿ヶ嶺連峰県立自然公園の西端にあたる谷上山にある公園である。谷上山の山頂に近い宝珠寺の山門前に、一九七二(昭和四七)年五月に第一展望台が、更に一九八〇(昭和五五)年三月に第二展望台が完成した。共に伊予市が建設したもので、第一展望台は鉄筋コンクリート造り二階建て、第二展望台は鉄筋コンクリート造り五階建てで、総工費は合わせて三、二一〇万円である。
 第一展望台は老朽化が進み、二〇〇二(平成一四)年に取り壊されたが、第二展望台は谷上山展望台という名で現在も多くの人に利用されている。五階建ての屋上には展望台を備え、無料望遠鏡を設置しており、眼下に美しい田園都市である伊予市の全景、道後平野の彼方に見える松山城と市街の家並み、西には青く澄んだ伊予灘に浮かぶ島々、そうした美しい風景が一望のもとに見られる所はここが最高である。好天気の日には遠く中国地方の山々を遠望することができ、すばらしい眺めである。
 一九八三(昭和五八)年から一九九五(平成七)年にかけて、「花と緑でつつまれた親しみのある公園」にするために記念植樹が行われ、現在では、桜やツツジが咲き誇る公園となっている。桜の時期にはお花見のポイントとして賑わい、展望台から遊歩道でつながる自由広場では、毎年春に「さくらまつり」が催されている。

 谷上山観光道路 
 一九七一(昭和四六)年五月六日、自衛隊第三二〇施設隊によって、上吾川布部の福田寺側から谷上山山頂までの延長二、三七〇mを幅員五mの観光道路とする工事が開始された。同年六月九日には谷上山観光産業開発道路として完成し、国道五六号線と県立自然公園の谷上山を結ぶルートとして観光に貢献することになった。この道路の開通で、伊予市の中心市街地から山頂まで車でわずか一〇分で登ることができ、伊予市唯一のスカイラインとして格好のドライブコースともなっている。

 愛媛厚生年金休暇センター「ウェルサンピア伊予」 
 厚生省(現厚生労働省)により、一九七七(昭和五二)年二月~一九八一(昭和五六)年三月の五か年計画で、下三谷の田園地帯に敷地面積一三・三ヘクタール、建築延面積一万一、四一五平方m、総工費六億円で完成した。この施設は、厚生年金保険の被保険者、その家族と受給者をはじめ広く一般を対象とした施設で、親・子・孫の三世代交流の場として福祉の向上と健康づくりの総合的な休暇センターとして建設されたものである。展望塔からは、谷上山などの山々、更に瀬戸内海を見晴らすことができる。
 保有施設としては、大小会議室、健康づくりや福祉の向上のための体育館・テニスコート・オートテニス場・ゴルフ練習場やプール・野球場などが設けられ、一画には有料老人ホームがある。

 えひめ森林公園 
 みどり豊かな森林との触れ合いを通じて自然に親しみ、健康で潤いのある生活が営めるようにと、愛媛県が、昭和五六~六〇年度の五か年計画で、皿ヶ嶺連峰県立自然公園内の大谷池周辺に整備した。区画面積は五二ヘクタールで、管理・展示施設、各種の森の造成、更にレクリエーション施設として、キャンプ場・フィールドアスレチックなどの整備が進められ、総工費四億六、〇〇〇万円で一九八四(昭和五九)年八月にオープンした。
 広く県民から親しまれ、春には桜、夏はキャンプ、秋には紅葉が美しく、秋から冬にかけては美しい森林を背景に大谷池に数千羽のカモが泳いでいる風景を眺めることができるハイキングコースとして、家族連れなどの多くの行楽客が訪れる。平成一五年度には約九万二、〇〇〇人が訪れた。
 主な施設としては、森林学習展示館(研修室)、学習展示施設(実習用苗畑・きのこ栽培・山菜栽培)、森造成(きのこの森・せせらぎの森・山菜の森・昆虫の森・生産の森・木漏れ陽の森・野鳥の森・詩歌俳諧の森)、レクリエーション施設(キャンプ場・林間広場)があり、それぞれの施設を九つの遊歩道(らくらくコース・たんれんコース・眺望コース・森林浴ゾーン・アスレチックコース・渓谷探訪ゾーン・探島コース・林業学習コース・句碑めぐりコース)が結んでいる。

 五色姫海浜公園 
 愛媛県が、海岸環境整備事業により昭和六三~平成七年度の八か年計画で五色浜に整備し、一九九六(平成八)年四月にオープンした。五色姫海浜公園の名は、五色浜に伝わる五色姫伝説からその名をとったものである。南国ムード漂う白砂が美しい海岸線を主役として、海水浴客のための更衣室やシャワーなどの施設はもちろん多目的に使える広場などがあり、シーズンともなると約一五万人もの海水浴客で賑わう。
 広場は、イベントなどの会場として様々に利用されるほか、春の五色姫復活祭から秋のいもたきまで、様々な催しが繰り広げられる。特に、夕陽の美しい五色浜でのいもたきは伊予市の秋の名物である。また、常設されているビーチバレーコートでは、夏を中心に全国レベルの大会が行われ、「ビーチバレーのメッカ」として認知されるようになってきた。

 しおさい公園 
 五色姫海浜公園に近隣する「しおさい公園」は、総事業費約九四億六、四六一万九、〇〇〇円、一九九〇(平成二)年の計画開始から一五年をかけて、市民の生涯スポーツの拠点として整備された。緑にあふれ、スポーツと憩いの場を兼ね備える、総面積一三万三、三四一平方mの総合公園である。
 スポーツ施設としては、市民体育館(一九九五(平成七)年一〇月供用開始)、市民球場(同年一〇月供用開始)、市民テニス場(A~Eコートが一九九六(平成八)年五月供用開始、センターコートが一九九九(平成一一)年四月供用開始)、市民競技場(二〇〇四(平成一六)年七月供用開始)、ゲートボール場兼バスケットボールコート、ウォーキングコース、健康トリムなどが設置されており、市民の健康づくりに役立っている。年間利用者数は、平成一五年度で、市民体育館が約八万二、〇〇〇人、市民球場が約一万三、〇〇〇人、市民テニス場が約一万三、〇〇〇人となっている。
 また、憩いとやすらぎの場として、一九九八(平成一〇)年春に完成した親水広場に加え、二〇〇一(平成一三)年四月には、『海底』をイメージしたわくわく子ども王国がオープンし、多くの子どもたちの歓声がこだましている。約一ヘクタールの広さのある芝生広場は、キャッチボールや凧あげ、縄とびなど、家族で安心して楽しめるスポットとなっている。
 スポーツ愛好者から親子まで気軽に憩い、楽しめる施設としてこれからも多くの利用が期待される。