三、　南山崎村と佐礼谷村の合併

　大正一四年（一九二五）　一月二六日付で、伊豫郡長から佐礼谷村長へ文書が送付された。
　その内容は次のとおりであった（原文のまま）。

　　　　村合併ニ関スル件
　小村ノ分立ハ地方自治ノ発達ヲ阻碍シ住民ノ不利ヲ招来スル事不鮮卜存候　政府ニアリテハ近ク行政組織ヲ変革シテ制度ノ整頓二備へ地方自治ノ発達ニ資セントスル意嚮ニ有之候　就テハ此際小村ノ合併ヲ行ヒ以テ経済上ノ實力ヲ整へ来ルベキ制度ノ変革ニ備フルコトハ必要ノ事項ト被存候ニ就テハ二月二日午前十時ヨリ郡役所ニ於テ小村合併ニ関シ御意見承り度候条当日御出頭相成度此段及御通知候也
　追テ南山崎村長ヘモ此旨通知致置候此旨申添へ候

　これに対して、佐礼谷村はどのような対応をしたのか記録は無いが、佐礼谷村長が行った大正一四年中の事務報告に次のように記載して終結としている。

　「本村ト南山崎村トノ合村ニ付伊豫郡長入村勧誘斡旋アリタルニヨリ村会議員ヲ招集シ熟議ヲナシタルモ種々ノ利害アリテ合村ノ議ヲ纏ムルニ至ラズ」