データベース『えひめの記憶』
久万町誌
1 地区診断
人間にとって一番の幸せは健康である。健康は、1、運動、2、栄養、3、休養という三つの要素から成り立つものである。ところが社会情勢の変化、更には生活様式、労働条件の多様性によって、健康と栄養のアンバランスによる弊害は医療費の高騰にも表れている。
このため地域住民の日常生活の実態を調査し、その結果は各人に報告して、自分の健康は自分で守り、健康で明るい町づくりを目指すためのものとして町内各地で地区診断が実施された。
○ 二名地区診断
昭和四一年一一月、県や保健所、鳥取大学医学部などへ依頼して、二名地区の健康総合診断(地区診断)を実施。
診断は、健康、生活、栄養、環境衛生、学校保健、産業の六部門。
○ 上畑野川地区診断
昭和四八年七月七日から三日間、聖カタリナ女子短期大学生により上畑野川地域住民の栄養調査、生活の実態調査と健康診断が実施された。
健康診断は、問診、身体計測、血圧測定、尿検査、貧血検査。
○ 露峰地区診断
昭和四九年七月九日から三日間、聖カタリナ女子短期大学生一〇七名により、露峰地域の住民を対象に地区診断が実施された。
調査期間中は、朝、昼、夕食事には各家庭を訪問し、食事の原材料から一人一人の摂取量まで計算して実際の栄養量を計算すると同時に三日の内一日については、労働時間から休憩時間、就寝の時間まで細かく調査した。
健康診断は、問診、身体計測、血圧測定、尿検査、貧血検査、聴打診、心電図。
○ 明神地区診断
地域住民の健康状態を栄養摂取量や労働条件等と併せて調査し、久万町全住民の健康増進運動へと発展させていく主旨のもとに、昭和五○年七月九日から三日間、明神地区を対象に実態調査を実施した。
聖カタリナ女子短期大学生一〇五名が明神小学校に宿泊し、地域住民個々の一日の食事量を調査、一方明神公民館では久万保健所の協力で住民の血圧測定、尿検査、心電図、レントゲン検査、胃がん検診を実施。
○ 上直瀬地区の栄養調査
昭和五一年七月一八日から三日間、県医師会、聖カタリナ女子短期大学生の協力を得て地域住民の健康状態を、栄養摂取量や労働条件などの面と併せて調査、また久万保健所の協力で健康診断を実施、三一四名が受診した。
検診は、身長、体重の測定、血圧測定、尿検査、血液比重測定、レントゲン検診、心電図、便の検在、特にこの地区では蟯虫検査も実施した。
○ 下直瀬地区の栄養調査
昭和五二年七月二七日から三日間、聖カタリナ女子短期大学生六〇名によって、下直瀬地区住民の日常生活中から直接関係すると思われる、労働状態、健康状態、栄養の摂取状態を調査分析を実施、同時に農協厚生連、久万保健所の協力により、胃がん検診、レントゲン検診等も行った。