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美川村二十年誌

第一節 区域・位置・面積

 愛媛県の地図を見ると、東の川之江市から南宇和郡の宿毛湾まで、ひじょうに海岸線の長いことが目につく。それはちょうど扇を開いた形で、その扇のかなめの部分が、わが上浮穴郡にあたる。
 上浮穴郡は四国山脈の西部で延々六〇㌔にわたって高知県と境を接する、県下でただ一つの海を持たない山郡である。したがって山は高く谷は深く刻まれ、集落はその谷川に沿うわずかな平地と、それにつづいて傾斜する山腹に位置している。
 行政的に久万町・小田町・面河村・美川村・柳谷村の二町三村に分けられているが、それは伊予灘に流れる肱川と、土佐湾に流れる仁淀川の二つの川の上流域に分れる。小田町を流れる小田川は大洲を経て肱川となり、石鎚山の南麓に発する面河川は多くの支流を合せながら面河村から美川村を流れ、久万川を合せて流れ下って、柳谷村をすぎ高知県に入って仁淀川と名をかえる。
 澄みきった面河川が貫流する美川村は上浮穴郡の東部に位置し、北の面河村、南の柳谷村とともに村の東側を高知県と境しており、西は久万町、南西にわずかに小田町と境を接する外は、愛媛雌内の他郡と境を持たない。
 村の位憧を正確に経度・純度で示せば、
 東端 東経一三三度二分四六秒 商知県境、ヨラキレの東
 西端 東経一三二度五六分○八秒 小田町境、狼城山西北
 南端 北緯三三度三三分一二秒柳谷村境、栄重の南
 北端 北緯三三度九分一二秒面河村境、横山の北
 また、役場は東経一三二度五八分五九秒、北緯三三度三六分四〇秒で、ほぼ村の中央に位置し、同道三三号線と県道西条~久万線の分岐点であり、面河川と久万川の合流する地点でもある。景勝面河渓への入口にふさわしい石灰岩の御三戸獄が役場の対岸に清流をめぐらせて屹立し、松の緑、秋の紅葉と四時の眺めが美しい。
 村の東西約一五㌔、南北約一二㌔、面積一三五・〇二平方㌔を占める山村である。

美川村の位置

美川村の位置