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身近な「地域のたからもの」発見-県民のための地域学入門-(平成22年度)

(2)図書館を利用する

 ア 郷土資料コーナーへ行こう

 図書館には中学校や高校の学校図書館、大学図書館、県や市町立の公共図書館など様々な種類がありますが、地域調査の場合、最初は地元の公共図書館を利用するとよいでしょう。なぜなら、県立・市町立図書館には郷土資料コーナーがあり、そこで調査に関係する本や資料が見つかる可能性が高いからです。愛媛の事柄や地名、人名を調べる事典や『愛媛県史』、「市町村史(誌)」も通常はこのコーナーにあります。愛媛県立図書館には4階に「えひめ資料室」があり、県内の郷土資料・行政資料などを閲覧できます(写真2-2-5参照)。
 郷土資料コーナーへ行ったら、調査テーマに関連するような図書の並ぶ棚へ行き、買い物をするときに品物を見定めるように本棚をながめましょう。本の題名(タイトル)を見ながらテーマに関係のありそうな本を探します。本が見つかったら目次や索引を見て、テーマに関連する項目が書かれているかどうかを確認しましょう。

 イ 蔵書検索

 図書館の本や資料は、書架(本棚)にあるものだけではありません。図書館には書庫があり、その中に多くの本や資料が納められています。蔵書検索システムを使えば、書架にない様々な本や資料を探し出すことができます。その際に手がかりになるのは、書名、著者名、出版社名などの書籍に関するデータです。これらのデータの一部があれば、それをキーワードとして検索条件欄に入力することで、探したい本や資料を見つけることができます。本に関するデータがわからなくても、調査テーマや調査項目に関するキーワードを入力することで検索が可能です。図書館内のパソコンだけでなくインターネットに接続されているパソコンであれば、どのパソコンからでも蔵書検索を行うことができます。
 また、最近、公共図書館では近隣の図書館とネットワークを組んでいることが多く、他館が所蔵する本を検索したり借りたりすることもできるようになりました。愛媛県内では、平成22年度から愛媛県内公共図書館横断検索システムが公開され、県内16館の蔵書をまとめて検索でき、県内の所蔵状況が一目でわかります。さらに、相互貸借制度の利用により、地元図書館で所蔵していない本をほかの県内図書館で借りることも可能です。

 ウ レファレンス・サービス

 レファレンス・サービスとは、図書館の利用者が学習・研究・調査を目的として必要な情報や資料などを求めた際に、図書館の職員がその情報や資料を、検索・提供・回答することによって利用者を支援することです。探したい資料が見つからない場合やどんな資料を見ればよいかわからない場合は、図書館職員に「教えてください。」とお願いし、気軽に相談してみましょう。

 エ 記録のポイント

 探している本を図書館で見つけたら、館外貸出のできる本や資料は手続きをして借り出し、自宅でじっくり読みながら、必要な部分はノートに書き写すか、著作権に配慮しながらコピーします。その際に必ず、書名・著者名・出版社名・発行年を記録しておきましょう。館外貸出のできない本は図書館内で読んでノートに書き写します。図書館にコピー機がある場合は、図書館の決まりを守った上でコピーすることも可能です。

写真2-2-5 えひめ資料室

写真2-2-5 えひめ資料室

愛媛県立図書館。平成22年10月撮影