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わがふるさとと愛媛学Ⅶ ~平成11年度 愛媛学セミナー集録~

◇故郷での不幸な出来事

 話は変わりますが、最初わたしが小学校中学校と通っていた所の町の名前を覚えておられますか。コロラド州のリトルトンという町です。コロバインという高校の名前をお聞きになった方はいらっしゃいますか。コロバイン高校はわたしが通っていた小、中学校から15km程しか離れていません。その高校を卒業した友人も10人くらいいます。わたしの叔父や叔母もこのコロバイン高校に多くの生徒が進学する中学校に勤めています。
 今年の4月20日に銃乱射事件が起こった学校がこのコロバイン高校だったのです。「こんなことはコロバイン高校では絶対起こってはいけないことだ。」と現場にいた先生がおっしゃっていました。わたしも全く同感です。そこは新興住宅地で近所の人たちも善良な人たちです。そんな悲劇は一番起こりそうにない所なのです。わたしは本当にショックでした。
 コロバイン高校で銃乱射が起こり、ほとんどの日本人の方がアメリカの治安について不安に思っておられるようでした。それでわたしは「治安の悪い地域もあるし、良い地域もありますよ。」と周りの方には答えています。十分気を付けていればそんなに危険な所はないと思います。
 しかし、この事件の後、わたしは自分の国について皆さんにどう話をしたらいいのか分からなくなりました。また、わたしは銃の携帯は禁止するのが一番いいのではないかと思うようになりました。だが、それでこういう問題を一掃できるかどうかは分かりません。この問題の解決のためには、違った角度から見つめ直す必要があるようにも思います。
 事件を聞いた日に城辺中学校で授業がありました。授業中にふとニコニコしている女の子に目が留まり、ここの生徒はアメリカの生徒と違って本当に幸せだなと思いました。